保育園の連絡帳「うちだけ先生からの返事が少ない」これは事実?ありえる要因を現役保育士が解説
現役の保育士&幼保英検1級です。
保育園と家庭との情報共有の目的で連絡帳を運用している保育園も多いでしょう。
子どもの家庭での様子を記入して保育園に持参すると、降園する頃には先生が保育園での様子を記入して返してくれるという流れです。
一方、「保育園からの連絡帳、先生からの返事が素っ気ないような。うちだけ少ないような・・」という悩みを持つ方もいるようです。
先生からの返事の量について、毎日この連絡帳に返事を記入している保育士の立場から実情を紹介します。
会議があったため返事が少ない
保育園の先生たちが連絡帳を記入するのは、大抵、園児たちが午睡(昼寝)をしている時間です。
この午睡中には、先生たちは連絡帳の記入の他、次のようなことをしています。
- 食事休憩
- 職員会議や昼礼
- 週案や月案の記入
- 午睡中の記録
- 午睡の見守り
- 翌日や翌週の保育準備
- 制作活動の準備
- 眠れない子のケア
- 園内の飾り付け
- 研修
- 行事の計画・練習
月末や月初には、毎日の短い昼礼・朝礼では話しきれない懸案事項などを話し合う月例会議が行われることがあり、このような日は連絡帳の記入を割愛したり、1文だけの記入にせざるを得ない場合があります。
「本日は月例会議があったため連絡帳の記入を割愛しております」等と伝達があれば、事情を把握できますが先生から何も伝達がないと不安になりますよね。
保育士たちも、本来は連絡帳にもたくさんお返事を書きたかったところを書けなかった状況なので、翌日に「昨日はどのような活動をしたのですか」とぜひ率直に聞いてみてくださいね。
午前中のみの登園だったため返事が少ない
入園直後の慣らし保育中は特に、保育園での様子を知るためにも連絡帳への返事はぜひ欲しいですよね。
一方、慣らし保育中は降園時間が10時30分、12時など午睡(お昼寝)より前になります。
よって、午睡前に連絡帳を記入する場合、先生たちは午前の活動中に子どもを見ながらロッカーの上などで連絡帳を書いている状況になります。
本来、園児の安全を確保するためにも、連絡帳より保育に集中したいところなので、連絡帳の記入の方を割愛することがあるのが現状です。
このため、返事が少なかったり返事自体がなかったりするのですね。
連絡帳が書けない状況だった場合は、降園時に口頭で保育園での様子が伝達されるはずですが、不足している場合は気兼ねなく先生に聞いてみてくださいね。
担任の先生が半休だったため返事が少ない
例えば、2人担任がいるクラスで、うち1人が午後半休を取得した場合、午後は代替の保育士が担当します。
クラスに園児12人がいた場合、午前中の活動内容を良く知るもう一方の担任が12冊とも連絡帳を記入すれば良いのですが、日誌や保育準備などもあり難しいのが現状です。
この場合、内容を短くしながら1人で12冊記入するか、記入して欲しい内容を代替の先生に伝えた上で1人6冊ずつ記入する方法で全員分の連絡帳を書き終える保育園があります。
よって、日によって連絡帳の返事の量が変動するかもしれませんが、保育はしっかりとしていますので心配しないでくださいね。
うちの子だけ連絡帳の記入が少ない?
保護者があえて見ようとしない限り、保育士が他の家庭の連絡帳を見せることはありません。
一方、何らかの理由から、他の家庭よりも自分の子の連絡帳だけ先生からの返事が少ないと不安になる人もいるようです。
連絡帳の返事はどの子も平等に
実際、保育園の先生たちが特定の子どもだけ連絡帳の返事を減らすことはあるのでしょうか。
どの保育士も連絡帳の返事は、それぞれ内容は異なるものの量はどの子も平等になるように心がけているはずです。
よって、特定の子だけわざと返事を少なくするということは考えにくいですね。
連絡帳への返事が少なくなりがちな家庭の例
特定の子だけ意図的に連絡帳の返事を少なくするということはないものの、書きにくい連絡帳の家庭というものは存在します。
例えばこんなお家・・。
連絡帳をまったく見ていない家庭
家庭からは何も連絡帳に書いていなくても、保育園側からは毎日お返事を書いています。
ただ、前日に渡したお手紙が翌日も読まれないまま連絡帳に挟まれているということが続くと、「そもそも、連絡帳すら開いていない家なのだな」と思います。
保育士は、返事を書いた連絡帳が一切見られていなかったとしても返事は書き続けますが、記入量が減りがちになるのは事実です。
◯◯については知らせないで欲しいと要望した家庭
「初めて歩きました」や「初めて2語文を話しました」など、子どもの初めては家庭で祝いたいため、連絡帳では知らせないで欲しいという希望をされるお家があります。
このような場合は、「家庭ではまだできてなかったことかもしれない」と躊躇し、伝えたいことがあっても書くのをためらってしまいます。
結果的に、連絡帳の記入量が少なめになってしまうこともあるでしょう。
すべてを連絡帳上で伝えようとする家庭
情報を伝える上で文章だけのコミュニケーションには限界があります。保育園に限らず、一般企業でもこのために誤解が生じてしまうことがありますよね。
こんな時、「連絡帳に記入してくれた件は、◯◯という意味ですか」等、口頭でのコミュニケーションに移行できれば、誤解が解けることも多いです。
一方、何らかの理由により連絡帳上のみですべてを伝えようとするお家に対しては、保育士が「また自分が書いたことで誤解を生んでしまったらどうしよう」と連絡帳の記入が億劫になってしまうことがあります。
まとめ
連絡帳への返事の量について、実際に記入している保育士の立場から実情を紹介してきました。
保育士たちはどの子も平等に保育しています。
よって、連絡帳についても特定の子だけ意図的に量を変えることはありませんよ。
いつでも保育士に子どもの様子など、気になることを気軽に聞いてみてくださいね。
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