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保育園で1歳児はどのように給食を食べている?流れを現役保育士が解説「家庭の食習慣がモロに出る」

オオタ先生現役保育士 幼保英検1級

共働きの現役保育士です。

離乳食から幼児食に移行するステップを踏みながら保育園生活を送る、1歳児の保育園児たち。

1歳といっても所属するクラスは0歳児クラスと1歳児クラスにまたがります。

今回は、0歳児クラスに所属する1歳児の給食の進め方について、細かく紹介します。

※給食の提供方法は園により異なります。一例として参考にしてください。

提供する食事の段階を決める

離乳食には、中期・後期・完了期などと段階がありますが、まずどの段階の食事を提供するのか栄養士と担任保育士が話し合って決定します。

この打ち合わせは月1回など定期的に行われ、担任保育士からは普段の喫食状況を栄養士に報告、栄養士は保育士からの報告を聞いた上で、提供する食事の内容を決定します。

離乳食の園児の場合は、例えば、「来月からは完了に上げよう」とか「来月も後期のままが良いだろう」など、一人ひとりについて提供する食事の段階を検討します。

1歳児の給食準備(0歳児クラス編)

児童福祉施設最低基準では0歳児クラスの職員配置基準は、園児3人につき職員1名です。

ただし、給食の時間は特に、給食室に給食を取りに行くために保育室を空けなくてはいけないことや、子どもの見守りとは別に配膳という作業があるため、職員が1名だけでは対応が困難です。
このため、園児が3名しかいないクラスでも、サブでもう一人職員がヘルプに入っている保育園も多いでしょう。

担任がエプロン付けや消毒、給食の歌などをしている間に、サブの職員が給食を取りに行ったり、配膳したりなどします。

1歳児の給食中

0歳児クラスでは、離乳食の段階も一人ひとり違いますが、段階が同じでも食べ方は様々です。

全く同じ月齢の子でも、自分で上手にスプーンですくって口に運び、咀嚼も良くできる子から、スプーンを投げる子まで、全く異なります。

給食中の職員配置

園児3人につき職員が2人いたとしたら、偏食の子や口に詰め込みがちな子にマンツーマンで職員が1人付き、後の2人をもう一人の職員で介助することが多いです。

なお、保育所における看護師等の配置特例という措置があります。
これは待機児童対策を受け、保育所において看護師等(保健師・看護師・准看護師)を1人に限り保育士とみなすことができるとする配置特例です。
このため、0歳児クラスに職員が複数配置されている場合、うち一人は保育士ではなく看護師であるという保育園も多いです。

咀嚼が難しい子への対応

保育園での食事の状況を見ると、家庭での食事が垣間見られます。
例えば、量はたくさん食べるが噛まずに食べられるメニューのみを食べる子がいます。

そのような子の保護者の方に伺うと、お家ではベビーフードの1歳児用を中心に食べている様子。

ベビーフードは子どもが残さず食べるように、必要以上にとろみがついています
味付けも子どもが好む甘めかつ濃いめです。

保育園の給食は十分柔らかく調理してあるものの、不必要なとろみは付けられていません。

咀嚼の練習ができていない子の場合は、保育士(または看護師)がスプーンでさらに小さく切ったり、スープに浸してみたりなどすることが多いでしょうか。

給食を食べない子への対応

そもそも食が細い子や家庭では食べるが給食は進まないという子は、対応が難しいところです。

食べたくないのなら食べさせる必要はないという考え方もあるでしょうが、「〇〇君のお迎え予定は18時なので、3時のおやつは食べられたとしてもお腹が減ってしまうだろう」とお家での夕食までの時間を考えると、少しでも給食を食べて欲しいとは思います。

給食を食べない子に対しては、好きなメニューと混ぜたり、十分な時間を確保するなどの対応をすることが多いです。

ごちそうさま

給食を食べ終わると0歳児クラスでも全員で「ごちそうさま」のご挨拶をします。

ごちそう様の後は、エプロンを外し、口や手をタオルで拭いて午睡の準備をします。

給食中か直後に眠りそうになった子であっても、口内に食材が残っていないかなどを確認した上で睡眠に入ります。

まとめ

0歳児クラスに所属する1歳児の給食の進め方について、実際に保育園で行われている例を紹介しました。

給食の提供方法は園により異なりますので、一例として参考にしてくださいね。

現役保育士 幼保英検1級

共働きの現役保育士です。「うちの子保育園で何してる?」をテーマに保育園のリアルを伝えます。 幼保英語検定1級・TOEIC 875・ヤマハ指導グレード5級 自身も保育園児の母であった経験から、保護者の立場に立った情報提供を心がけています。 保育園・幼稚園生活が少しでも楽しいものになりますように。

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