日本参入間近?Googleの求人サービス「Google for Jobs(グーグルしごと検索)」とは
Googleが求人サービス「Google for Jobs(GFJ)」を日本でもリリース予定であると報道されている。
これは海外ではすでに始まっているサービスであり、日本でも「試験的に表示」されている事例がすでに報告されている。
どのようなサービスなのかというと現状では「構造化データを用いることで、求人情報を検索結果上にエンリッチリザルトの形式で表示させる機能」と案内されている。
「エンリッチリザルト」とは何だと思われる読者もいるかもしれないが、要は通常のテキストだけの検索結果とは違い、視覚的に強調されていたり独自の操作機能が追加された検索結果のことである。
参考:Google「エンリッチリザルト」の解説ページ
https://support.google.com/webmasters/answer/7407437?hl=ja
米国での現在の実装状況を見ると、求人関連のキーワードでGoogle検索した時にGoogle for Jobsのエンリッチリザルトが表示され、そのままGoogle上で業界や職種、地域などで求人を絞り込む事ができるようだ。
検索結果の上部に表示されるのでユーザーに注目されやすく、検索エンジン経由で集客をしている他の求人サイトへの影響も出ると予想されている。
【リクルート傘下「Indeed」の対抗馬?】
求人特化の検索サービスである「Indeed」は2012年にリクルートが買収し、日本でも本格展開させられている。
ここ数年、既存求人サイトの多くが「Indeed経由の人材集客」に力を入れ、企業もIndeedに求人を載せることで自社への採用応募を増やそうと尽力してきた経緯がある。
他社もIndeedに続けと求人検索サイトへの参入を試みていたが、Indeedの牙城を打ち崩すことはできず、むしろIndeed一強となったのが現状だ。採用広告代理店やウェブ制作会社なども巻き込み、「Indeedを中心とした採用エコシステム」も形成されてきている。
Google for Jobsの参入は、「Indeed一強の求人検索市場に一石を投じる流れとなるのではないか」と予想する動きもある。
採用コンサル会社もすでに「Google for Jobs」についてのセミナーを開催するなどしており、人事担当者からの注目も集まっている。
既存の求人サイトにとっては、「競合でもあり、集客プラットフォームでもある」という形になり、やはり無視できない存在である。求人サイトがIndeedに求人を載せるのと構図は同じになるが、Google検索結果の中では当然Indeedよりもページ上部に表示される事になるため、影響は大きい。
【上位表示させるには?】
Google for Jobsでは、求人の品質が高ければ高いほど上位表示させやすいと案内されている。
例えば「給与額が明示されている」など求人に関する情報が適切に掲載されているかどうかがポイントの1つだ。
一般のGoogle検索での上位表示とは別に、Google for jobsでの上位表示をコンサルティング、ないしは代行するという企業も今後増えると思われる。
さらにGoogleでは採用管理システム(Applicant Tracking System=ATS)として「Google Hire」も提供しており、こちらとGoogle for Jobsとの連動も視野に入っているだろう。
GoogleHireは過去の応募者から新職種の採用候補を見つけるなど、採用候補者を効率的に管理する機能を提供する管理ツールであり、アメリカでは中小企業を中心に利用されている。
Googleの「求人検索サービス」参入により日本のHRテック界隈も今年は大きな動きがある1年となるかもしれない。
現時点ではまだ展開が読めない部分も多いが、正式にサービスリリースされたら追って動向を紹介していきたいと思う。