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ノート(254) 履歴書に前科を書かず、面接でも黙ったまま再就職 法的問題は?

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:アフロ)

~釈前編(14)

受刑380/384日目(続)

前科を告げる義務はある?

 社会では「協力雇用主」のように前科がある者をそうだと分かった上で積極的に雇用しようという事業者のほうが圧倒的に少ない。そのため、受刑者の悩みで多いのは、社会復帰後に再就職する際、履歴書やエントリーシートの賞罰欄に前科を書かず、採用面接でも黙ったままで大丈夫なのかという点だ。

 いつか嘘がバレるかもしれないとビクビクし続けなければならないという心理的負担は大きいが、それ以上にこうしたやり方には法的な問題がある。履歴書の体裁や面接の状況、就業規則の内容によっては、解雇されても致し方ないからである。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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