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ノート(253) 再犯防止のために重要な役割を果たす協力雇用主の存在と現状

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:アフロ)

~釈前編(13)

受刑380/384日目(続)

協力雇用主の開拓

 刑務所では専門性の高い様々な職業訓練が行われているものの、訓練生として選ばれるための基準は厳しく、「狭き門」となっている。しかも、実際の就職に役立つとは限らず、むしろ仮釈放の許可を得やすくする手段と化している面もある。

 そこで、社会における実際の求人状況を踏まえたうえで、これに見合った具体的な就労支援を行わなければならない。真っ当な仕事を見つけ、自ら生活費を稼ぐことが、何よりも再犯の防止につながるからだ。生活保護に依存させるよりも、納税者として税金や社会保険料を支払わせ、自立させることのほうが社会にとって有益でもある。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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