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言論を自由にさせるサッカーと、言論の幅が狭い日本が抱えるギャップ

杉山茂樹スポーツライター

浦和レッズが横浜マリノスに0−4で敗れた試合を観戦に行った。よく4失点で済んだなという印象。浦和レッズは、ファーストステージを無敗で制したチームとは思えぬ醜態を曝した。だから2ステージ制はよくないと言い出す人は多いと思うが、それでも浦和レッズは、1シーズン制だった昨年の例からも分かるとおり、優勝を狙えるチームの1つであることは確かだ。

Jリーグの中で、そのクラブの年間予算は第1位。選手の年俸も他に比べて高いので、いい選手が集まりやすい。だとすれば、だ。もう少しいいサッカーをして欲しい。0−4で大敗したことよりも、サッカーの中身について、僕は不満を感じる。それは残念ながら、第3者の目に決して魅力的には映らない。

日本代表のサッカーも魅力的であって欲しいものだが、日本代表は1チームしか存在しない。魅力的でない場合も、日本人としては応援せざるを得ない。だが、Jリーグのチームは全国区ではない。魅力的ではなくても応援しなければならない宿命を背負っている人は、地元民に限られる。

Jリーグを代表する浦和レッズが、そうした地元民限定のサッカーをしていては、Jリーグ全体の人気に影響する。Jリーグ人気が日本代表に劣る理由、Jクラブが身近にないファンがJリーグに関心を寄せられない理由は、レギュレーションの問題というより、いいサッカーを見せるチームが少ないからだと言える。

「いい試合をしても勝たなければ意味はない」とは、スポーツの世界でよく耳にする台詞だが、サッカーは例外だ。「いいサッカーをしても勝たなければ意味はない」なんてことは全くない。価値観が勝敗だけに限られていない点にサッカー競技の特性がある。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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