スタジアム文化発展のためには、スポーツ施設に“星評価制度”を導入すべき
では、どういうスタジアムがいいのかーーという方向に話はなかなか進んでいかない。
家を建てようとする時、リフォームする時、依頼する側の施主は、建設会社や設計事務所にこうして欲しいと要望を伝えるものだ。何かを参考にしたり、自ら学んだり、事前に知識を高め、我が家をよりよいものにしようと少なからず努力もする。
新国立競技場の場合、施主は、利用者である国民と考えることができる。これまで頻繁に利用してきた人、これから頻繁に利用しそうな人には十分施主としての資格がある。つまりそれは、我々なのだけれど、これまで、話の中に全く入れてもらえない状態にある。
ザハ・ハディドさんの案が、ある日突然、目の前に一方的に現れた。そんな感じだ。最初から、受け身の立場に追いやられていた。
最近になって、首相官邸のホームページに、新国立競技場への意見箱が設けられ、そこに多くの意見が寄せられていると聞くが、このやり方は、いわば一方通行だ。どんな意見が寄せられているのか、国民は知ることができないので、議論や関心が広がりにくい。知識も深まっていかない。スタジアム論で盛り上がることができないのだ。そこで活躍するべきはメディアになるが、こちらも受け身。前向きな提案ができずにいる。
この記事は有料です。
たかがサッカー。されどサッカーのバックナンバーをお申し込みください。
たかがサッカー。されどサッカーのバックナンバー 2015年8月
税込550円(記事4本)
2015年8月号の有料記事一覧
※すでに購入済みの方はログインしてください。