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スタジアム文化発展のためには、スポーツ施設に“星評価制度”を導入すべき

杉山茂樹スポーツライター

では、どういうスタジアムがいいのかーーという方向に話はなかなか進んでいかない。

家を建てようとする時、リフォームする時、依頼する側の施主は、建設会社や設計事務所にこうして欲しいと要望を伝えるものだ。何かを参考にしたり、自ら学んだり、事前に知識を高め、我が家をよりよいものにしようと少なからず努力もする。

新国立競技場の場合、施主は、利用者である国民と考えることができる。これまで頻繁に利用してきた人、これから頻繁に利用しそうな人には十分施主としての資格がある。つまりそれは、我々なのだけれど、これまで、話の中に全く入れてもらえない状態にある。

ザハ・ハディドさんの案が、ある日突然、目の前に一方的に現れた。そんな感じだ。最初から、受け身の立場に追いやられていた。

最近になって、首相官邸のホームページに、新国立競技場への意見箱が設けられ、そこに多くの意見が寄せられていると聞くが、このやり方は、いわば一方通行だ。どんな意見が寄せられているのか、国民は知ることができないので、議論や関心が広がりにくい。知識も深まっていかない。スタジアム論で盛り上がることができないのだ。そこで活躍するべきはメディアになるが、こちらも受け身。前向きな提案ができずにいる。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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