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食べ出したら止まらない?永井久慈良餅店さんの「板かりんとう」素朴な甘さとハードな食感に病みつきです

柳谷ナオ和菓子ソムリエ・ライター

日々満員電車に揺られている方にとって、電車はあくまで移動手段であり窓の外の景色を眺める余裕など皆無ですね。一刻も早く降りたい、到着してほしい…その一心です。

しかし、旅行となると話は別。

のんびりと目的地まで運んでくれる車両、がたんごとんと揺れる心地よい音と振動、そして都心とは全く異なる車窓からの風景。誰かの日常は誰かの非日常、ですね。

海岸から臨む湯ノ島
海岸から臨む湯ノ島

東北新幹線の通過、もしくは終点であるJR新青森駅からひと駅電車にのってJR青森駅へ。そこから青い森鉄道に乗車すると、陸奥湾沿いの風光明媚な停車駅がちらほら。その中のひとつ、浅虫温泉駅には名物がありまして、久慈良餅というこし餡と米粉を蒸かした蒸し羊羹のような和菓子があります。創業1907年「永井久慈良餅店」さんもお作りになっているのですが、実はもうひとつ。私の周りで、最も人気の高い帰省土産があるのです。

今回は永井久慈良餅店さんの「板かりんとう」をご紹介。

板かりんとう
板かりんとう

黒蜜を纏っていない、なんならお砂糖もまぶされていない、そしてスティック状でもない…初めて出会った方のかりんとうの概念からは大きく外れるかもしれませんが侮ることなかれ。

小麦粉とお砂糖、黒胡麻をあわせた生地をからりと揚げた、板ガムより一回り程おおきな約2~3ミリ厚。開封した瞬間から漂う、ふんわりとした甘い匂い…老若男女世代問わず、どこか懐かしさを覚えるような穏やかな香ばしさ。

板ガムよりやや大きめサイズ
板ガムよりやや大きめサイズ

そして、バリン!ぼりっぼりっ!という独特のハードな食感に思わず眉が上がります。そうそう、永井久慈良餅店さんの板かりんとうはこうでなくては。噛みしめるたびにじわじわと広がる味わいは、どことなくビスケットのような素朴さ。卵や乳製品は使用しておらずとも、絶妙な配合の生地とさらりとした揚げ油がコクを生み出し、更にきつすぎない程度の黒胡麻が旨味と奥行きをプラス。

2~3ミリほどの厚さとは思えない歯応えです
2~3ミリほどの厚さとは思えない歯応えです

刺激的な食感を楽しむもよし、小さく齧ってゆっくり口の中で溶かしながら堪能するもよし。また、一般的なかりんとうの賞味期限が約1か月~1か月半程度に対して、永井久慈良餅店さんの板かりんとうは製造日より20日。油分が酸化しないうちに美味しく召し上がれるような配慮も人気の理由なのでしょうね。

ジッパーつきでもついつい食べ過ぎてしまうのはお約束
ジッパーつきでもついつい食べ過ぎてしまうのはお約束

永井久慈良餅店さんのホームページでは人気No2と記載されておりましたが、私の周りでは確実にNo1の板かりんとう。何度も咀嚼して食べるものは満足感があると申しますが、それでも手が止まらないという声を友人たちからよく耳にし、私もそのひとり。低カロリーとはいえませんので、「罪深き安らぎの味」とでも申しましょうか。

ジッパー付きといえども、開封したらその魅力には抗えません。

最後までご覧いただきありがとうございました。

柳谷ナオ

<永井久慈良餅店・本店>
公式サイト(外部リンク)
青森県青森市浅虫坂本51-5
017-752-3228
7時~18時
不定休

和菓子ソムリエ・ライター

■年間400種を優に超える和菓子を頂く和菓子ソムリエ&ライター。美味しさだけではなく、職人さんやお店、その土地の魅力をいかに伝えるかに重きを置いて執筆中! ■製菓衛生士免許所持・製造・販売・百貨店勤務経験有 ■和菓子・お取り寄せ・お土産・アンテナショップ・都内物産展&催事・和菓子とお酒&珈琲&ノンアルコールとのペアリングなどの執筆や取材、監修を得意としています。

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