今さら聞けないカンタンにわかるお粥と雑炊の違い
江戸時代に書かれた「養生訓」という本に「お粥を食べると胃腸を養い、体を温める」と書いてあります。これからの季節にうってつけの料理です。「手抜きじゃないの?」と言われるのは心外です!お粥も雑炊も立派な食事です。しかも介護食の強い味方です。「言うのは簡単。作るのはひと手間」がかかっています。違いを知って、寒い季節の食事の1つに取り入れてみませんか。
●お粥は、お米を多めの水で煮た料理です。鍋で作ることもできますが、最近の炊飯器には「お粥モード」もあるので気軽に作ることができます。
入院や施設に入所すると「ごはんの形状について」必ず確認されます。普通のごはんか、米:水=1:5で炊いた「全粥」、米:水=1:7で炊いた「7分粥」、米:水=1:15で炊いた「3分粥」そして、お粥に汁だけをこした「重湯(おもゆ)」に分けられます。粥は消化が良いので、風邪などで体調が優れない時にも食べられています。その消化の良さから、離乳食や介護食としても食べられています。
お粥は日本だけでなく、中国や韓国・シンガポール・ベトナム・マレーシア・タイなどのアジア各国でも食べられています。各地域によって煮込む度合いに違いがあり、お米の形を残したものや、ドロドロになるまでじっくり煮込んだものなど様々です。日本でも昔は、麦、さつまいも、大根、里芋、栗などを入れてかさ増しして食べられていました。
●雑炊の別名は「おじや」で、この2つに大きな違いはありません。
生米の状態から炊くお粥とは違い、雑炊はごはんを煮込んで作ります。この時に、ありあわせの魚介や野菜などを一緒に煮こみ、塩、味噌、醤油などで味付けします。昔はごはん以外のものを入れることで、「かさ増し」して米の量を節約する目的もあったようです。今は、魚介や卵、野菜など消化に良いものを入れることで、たんぱく質などの栄養も一緒に摂れることから、体調不良や食欲不振時の栄養補給に向いています。
介護食に向いている雑炊の食材の代表は、卵、しらす、かにかま(カニ缶でもOKですが価格が…)、鮭(フレークも可)、ねぎ、ほうれん草等がおすすめです。柔らかくお粥状のごはんと煮込んでも違和感なく食べることができます。
これからの季節、鍋ものの汁にご飯を入れて作る雑炊は、具材から出た旨みがたくさんで美味しいですよね。また、一から作るのが面倒な時は、味噌汁を少し多めに作っておいて、翌日、雑炊にすると「味噌雑炊」が簡単に作れます。寒い朝には簡単で温まります。しかも具はみそ汁の具が入っているので入れなくてもOKです。卵でとじると味噌がまろやかになって美味しさも満足感もアップしますよ。
☆お粥の最大の特徴は、お粥は生米の状態から炊いたもの☆
☆雑炊(=おじや)は、お米や具材と一緒に煮込んだ料理です☆
※食べる時の温度には、お粥、雑炊ともに気をつけて下さいね。