香り豊かな和栗の栗きんとんを名古屋より「亀広良」さんのこし餡に栗餡のそぼろを塗した秋の上生菓子
大変ありがたいことに、今年も名古屋の名店「亀広良」さんの栗きんとんを、新宿高島屋さんで開催された名古屋のお菓子を購入できる名古屋直行便にて購入することができました。
さて、栗きんとんと申しますと、お正月に召し上がるとろりとした餡に黄金色の栗の甘露煮をあわせたものや、蒸かした栗を潰しに砂糖や塩を合わせて茶巾型(といいますか、栗の形といいますか)に絞る極々シンプルなもの、そして和菓子屋さんの上生菓子に見られるそぼろ状の栗餡を用いたものと、大きく分けて三種類ほどあるかと思います。
今回は、「亀広良」さんの上品な「栗きんとん」をご紹介。
栗きんとんだけではなく、栗とひとくちに申しましても、岐阜県や茨城県、京都府に熊本県と日本有数の産地がいくつかございますが、先日亀広良さんのインスタグラムに掲載されていたのが熊本県産の「利平栗」。
利平栗の鬼皮の色は他の品種と比べても非常に深く、人によっては珈琲のようだと例えられるほど。今回亀広良さんのインスタグラムに掲載されていた利平栗も、確かに一般的な栗に比べると黒を帯びていて、浅煎りの珈琲よりも珈琲らしい色と言えます。
きめ細やかで滑らかな栗餡が織り成すそぼろは、舌の上で軽やかに溶けてなんとも穏やかな安らぎのひと時をもたらしてくれます。小さすぎず、それでいて大きすぎない栗の粒もまた繊細なお菓子に素朴さと野性味を添えてくれますね。なんといいますか、若干さらさらとした粉っぽさと粒の大きさ以上の甘味のような風味が広がっていくのです。
こういった栗そのものの特性も味わえるように仕立ててくれるのは、食材と真摯に向き合う亀広良さんの手腕が発揮されているからこそ。そしてさらっとしたこし餡が加わることにより、手の平にすっぽりと納まる栗きんとんながらも小豆と栗二つの甘露にうっとり。贅沢なお茶の時間となりました。
和栗とひとくちにいえども、産地や品種によって特性も異なりますし、そこにあわせて美味しいお菓子を作る職人さんの腕前。この組み合わせがお店によってどう異なるのか、どんな味わいで魅了してくれるのか、残りの秋も楽しみに過ごしたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
<亀広良>
公式Instagram(外部リンク)
愛知県名古屋市西区上名古屋1-9-26
052-531-3494
9時~18時
定休日 水曜・第二&第四火曜