「光る君へ」まもなく最終回 ぜひ訪ねたい紫式部が源氏執筆の直前に暮らした越前のまち
宿泊経験500泊。関東圏の穴場ずらし旅の愛好家、とらべるじゃーな!です。
大河ドラマ「光る君へ」がまもなく最終回を迎えます。
時代劇では取り上げづらかった平安時代、それも作家を主人公に据える意欲作で、大河の歴史に残る作品となりそうです。
ドラマではすでに源氏物語を書き終えた主人公のまひろ(紫式部)が、物語を書き始めた少し前に滞在したのが、現在の福井県越前市武生。北陸新幹線で気軽に行ける穴場旅行地です。
観光客は殺到していない静かな地方駅
ハピラインふくい(旧北陸本線)の武生(たけふ)駅。
新幹線が少し離れた場所にできたため、昔ながらのいでたちの静かな駅です。福井駅または敦賀駅から、ハピラインふくいに乗り継ぐと便利です。
武生駅の北西、徒歩10分ほどの場所にある本興寺(ほんこうじ)。
まひろ(紫式部)の父が越前守として赴任した国府(現在の県庁に近い存在)の場所が本興寺だったという説もあります。
いずれにしても武生駅の西側一帯に、国府やそれを囲む町が広がっていたと考えられます。
静かで落ち着いた町で、ひとり旅や少人数の旅におすすめです。宿は、近代的で温泉つきのスーパーホテルがあります。
俗な観光地とは言えない紫式部公園
武生の観光名所の1つが紫式部公園。
郊外にあり、武生駅からはバスで移動します。
金色の像ばかり紹介され俗なイメージがあるかもしれませんが、現地は住宅地とはいえ山々に囲まれ、朝は霧が立ち、非常に風光明媚な場所です。
左手の平面彫刻は、藤原道長に所望され、和歌を詠む紫式部の姿。このほか、いくつかの和歌が展示され、本格的なつくりです。
園内には平安期の京都にあった、寝殿造りの庭園が丁寧に再現されています。
これが京都にあったらかなり混雑したと思いますが、朝の時間帯などは、特に静かです。
池にせり出した優雅な釣殿(つりどの)には、机と硯(すずり)が置かれ、源氏物語を執筆した紫式部をしのぶことができます。
※隣接し、紫式部公園と「紫ゆかりの館」があります。今年12月30日で閉館となる、越前 大河ドラマ館とは異なり、こちらはいつでも訪ねられます。
紫ゆかりの館
福井県越前市東千福町21-12
開館 9:00〜17:00
休館 月曜(祝日・振替休日の際は翌平日)、年末年始(12月29日から1月3日)
入館料 無料
古い町並みとご当地グルメ
越前国の中心は、武生から、一乗谷、福井城(福井駅周辺)へと移り変わりますが、武生はその後も商業や伝統工芸(和紙、刃物、たんす)の中心として長く栄えました。
駅からの徒歩圏に、古い町並みが保存されています。
武生のご当地グルメが、耳慣れない「ボルガライス」。
オムライスの上に、脂の乗ったカツ。酸味の効いたトマトソース。
味覚的なバランスがよく人を選ばない、優しくもボリューム感もあるご当地グルメで、おすすめです。
源氏物語が1分でわかる
源氏物語が「難しすぎる」と思う人は、たった2人の登場人物を理解しておくと簡単になる #1
源氏物語「何が面白いの?」と思う人も、コント要素がある第六帖ならすぐ楽しめる#2
福井の中心は、越前→一乗谷→福井城(福井駅周辺)と変遷しました。その跡をたどるのもおすすめです。
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