【独自】タモリさんが何度も撮影に行った「風呂屋と絶景の細階段」 再開発で取り壊しの危機?
宿泊経験500泊。関東圏の穴場ずらし旅の愛好家、とらべるじゃーな!です。
東京都の港区。海沿いの区のイメージがあるかも知れませんが、実は坂が多いエリアです。
1947年に3つの区が合併した際には「愛宕(あたご)区」の案があったほど。愛宕山は、東京23区でいちばん高い山です。
JR田町駅に近いエリアは大使館が立ち並ぶ
JR田町駅から徒歩15分(地下鉄三田駅から徒歩10分)のイタリア大使館。
すでにクリスマスリースが飾られています。一帯は、外国人が行き交う国際色豊かなエリアです。
意外なことに、大使館の内部には日本庭園があります。これは伊予松山藩の大名屋敷の名残り。周囲の大名屋敷はほとんど取り壊されましたが、大使館となった幸運で、今に生き残りました。
すぐ外側は、打って変わってお寺や住宅地となったエリア
JR田町駅や三田駅がある日向坂の南側は、外国人が行き交う、大使館が立ち並ぶエリアです。
一方、北側には、江戸時代には寺院や別の大名屋敷だったエリアがあり、坂が多いことや駅から離れていることもあってか、古い住宅地が広がっています。
タモリさんも著書で、坂が多いことは再開発を免れるひとつの要素であると指摘しています。空襲を免れた地域も多く戦前の建物も残っていたのです。
※麻布十番駅は、比較的新しい駅です。
タモリさんが何度も写真を撮影に来た名階段と銭湯
江戸時代にはお寺だった一角には、印象的な細く急な階段。
途中にシケイン(クランク)があり、見晴らしも良く、タモリさんが何度も写真撮影に訪ねた場所です(上の地図で「住宅地」の文字の辺り)。
階段の向こう側に広がる住宅地は、広大な大名屋敷(大和郡山藩)があった場所で、その後取り壊され住宅地となりました。
※高台の寺院、平地の大名屋敷の境目という意味で重要な階段です。
階段を下った先は小山湯です。創業は何と大正12年!
この場所は空襲を免れ、長らく戦前の面影が残されていました。
しかし、古い住宅地と細い路地は危険を伴い、2000年に麻布十番駅もできたためか「三田小山町西地区第一種市街地再開発事業」の対象となってしまいます。
再開発事業はかなり進んでいる
先日、古い住宅地があった再開発地区を訪ねると、ほどんど更地になっていました。
残念ながら、小山湯の跡地は右の白い壁の向こう。すでに更地となっていました。
しかし、銭湯の上へ続く階段だけは生き残っていたのです。
ちょうど階段左の柵が、再開発地区と残存地区の境界線。
残存地区には、比較的新しい住宅が多く、麻布十番駅方面からの近道として残されるのではないでしょうか?
更地になったエリアには、マンションが3つ。川沿いには親水公園もでき、新しく生まれ変わります。
※この階段のギリギリの生き残りは、各メディア様で未報告と思われ、大変大げさながら「独自」のタイトルとさせて頂きました。
再開発事業開始前と現在の対比。
階段下にある建物は小山湯。情報通のタモリさんのことですので、最後のお別れと撮影は済まされていると思います。
江戸時代は、階段や小山湯の辺りまでは寺院、その先は大和郡山藩の広大な大名屋敷が広がっていたのです。
タモリさんはこの場所を、2009年初回放送のブラタモリ第1シリーズで訪ねています。
【ブラタモリ三田・麻布十番 全ロケ地】大名屋敷の跡や、戦前から残る風呂屋と階段(とらべるじゃーな!)
タモリさんが推す「坂」
タモリさんが「奇跡の坂」と呼んだ再開発を生き延びた名坂に、いま紅葉が舞い降りるー道源寺坂、雁木坂
(今回)【独自】タモリさんが何度も撮影に行った「風呂屋と絶景の細階段」 再開発で取り壊しの危機?
タモリさんが「東京らしさを感じる」という2つの坂 地形を見事に表現していたー奴坂・釣堀坂
18年ぶり出版 タモリさんが何度も通った「イチ推しの坂」はどんな坂?ー薬研坂、洞坂
東京の坂は下の記事の「3位」にまとめています
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