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コロナ禍は若者のデートと恋愛を殺したか

坂口孝則コメンテーター。調達コンサル、サプライチェーン講師、講演家
コロナ禍は恋愛の支出と金額を大幅に変化させてしまった。これは憂慮すべきことです。(写真:アフロ)

某マッチングアプリ大手と日本全国の男女に大規模なデート調査を実施した。なお対象は5万人を超えている。

この調査では、コロナ禍とコロナ禍前の状況を調べた。すると大きな変化が明らかになってきた。

<デート回数>

コロナ禍でのデート回数は1.3回/月だった。コロナ禍前は2.2回/月になった。

コロナ禍はデート回数の減少をもたらした(アンケート調査を通じて著者作成)
コロナ禍はデート回数の減少をもたらした(アンケート調査を通じて著者作成)

これは特定のパートナーがいる場合と、特定のパートナーを模索中のケースがある。もしかするとお付き合い後は控える必要がなかったかもしれないが、お付き合い前はコロナ禍ゆえに回数を控えたかもしれない。

<デートを控える比率>

さらに上記はデートの回数比較だが、59%がコロナ要因でデートや恋活を控えているとわかった。

コロナ禍でデートを控える人も(アンケート調査を通じて著者作成)
コロナ禍でデートを控える人も(アンケート調査を通じて著者作成)

デートや恋活を控える理由は「デートをするために混雑した場所に出かけると感染の不安があるから」「自粛要請(緊急事態宣言やまん延防止等重点措置など)が出ているから」「感染すると周りに迷惑をかけるから」と続いた。

<デート費用の変化>

さらに酒類の提供自粛や、飲食店の時短営業の影響もあるだろう。デート一回あたりに使用する費用も減少している。

コロナ禍前とコロナ禍でのデート支出費用精算(アンケート調査を通じて著者作成)
コロナ禍前とコロナ禍でのデート支出費用精算(アンケート調査を通じて著者作成)

この金額の多寡はひとまず置いておいて、4,313円/回から3,450円/回の減少となった。

コロナ禍前(これは理想の意味でもある)と比べて回数も支出も減った状況だ。

<所感>

コロナ禍前後で外食市場は約3割が縮小している。さらに関連する飲食業が倒産した。日本中でデートが活性化することで飲食店には相当な収益がもたらされる。

人びとが新たな出会いを求めデートを重ねることは、プレゼントや衣類、装飾品など、さまざまな派生支出も期待できるはずだ。

生活の基礎を表す「衣食住」という言葉がある。もしかすると「食」の字は「色」にも置き換えられるかもしれない。「色」とはまさに恋愛やデートを示し、これらは広がりのある経済効果をもたらす。新たな出会いが生まれれば飲食費も増え、身の回りの様々な消費にも繋がる。

もっともコロナ禍で出会いを求めてデートを重ねろとは言いにくい雰囲気にある。しかし国民の恋愛や、結婚までを含めて総合的な議論が求められるだろう。

コメンテーター。調達コンサル、サプライチェーン講師、講演家

テレビ・ラジオコメンテーター(レギュラーは日テレ「スッキリ!!」等)。大学卒業後、電機メーカー、自動車メーカーで調達・購買業務、原価企画に従事。その後、コンサルタントとしてサプライチェーン革新や小売業改革などに携わる。現在は未来調達研究所株式会社取締役。調達・購買業務コンサルタント、サプライチェーン学講師、講演家。製品原価・コスト分野の専門家。「ほんとうの調達・購買・資材理論」主宰。『調達・購買の教科書』(日刊工業新聞社)、『調達力・購買力の基礎を身につける本』(日刊工業新聞社)、『牛丼一杯の儲けは9円』(幻冬舎新書)、『モチベーションで仕事はできない』(ベスト新書)など著書27作

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