2024年にプライベートブランド商品があらためて増えてきたワケ
物価高騰が長引く昨今、プライベートブランド(PB)商品の存在感が再び大きくなってきています。メディアからの取材も受けました。
PB商品は、メーカーの名前で売られるナショナルブランド(NB)商品に比べて価格が安く設定されていることが多いため、消費者にとって手軽に選べる節約手段となっているのですが……いまになってふたたび増加するとは意外です。
PB商品の人気が増している背景には、家計への経済的負担が増していることや、消費者が「良い品質を安く買いたい」と考えるようになっていることが挙げられますよね。なぜあらためてPB商品が注目され、増えているのかについて、いくつかの具体例をもとに分析していきます。
<参考URL>
https://www.topvalu.net/brand/about/bestprice/
https://www.itoyokado.co.jp/7premium/index.html
https://www.lifecorp.jp/products/pb/
https://www.lawson.co.jp/recommend/original/
【物価高の中で求められる「安さ」と「品質」】
なんだかんだいっても、けっきょく、食品や生活用品などの価格が高騰し続ける中で、PB商品は「安さ」と「品質」のバランスを提供する手段として再評価されているんですよね……。
値上げは秋に再びピークを迎え、多くの家庭で物価高による生活費負担が大きくなっています。例えば10月には飲料や菓子類、食用油など多数の品目が値上げされ、年々増加する物価上昇に消費者は「値上げ疲れ」を感じている状況です。物価上昇はいいことなんでしょうけれど、庶民からしたら厳しいんですよね。
このため、少しでも安い商品を求める動きが顕著になり、PB商品に対する需要が高まっているわけです。例えば、イオンの「トップバリュ」シリーズでは、2024年から相次いで値下げが行われており、カップ麺やペットボトル飲料などの日用品も含まれています。
このようなPB商品の値下げは、物価高で節約を強いられる消費者にとって大きな魅力となり、安価であると同時に必要十分な品質を持つ商品として支持されています。PB商品は、NB商品と比べて広告費や流通コストが抑えられるため、こうした値下げ戦略が取りやすいのも特徴です。特に最近ではPB商品の品質が向上しているため、「安くても満足できる」という点で消費者の選択肢に入ってくるのではないかと思うんですよね……。
【PB商品が増える背景にある「企業のコスト削減戦略」】
企業にとっても、PB商品はコスト削減や収益性向上のための重要な戦略となっています。大手小売業者にとって、NB商品を仕入れて販売するよりも、自社で開発したPB商品を販売するほうが、流通コストや中間マージンを削減できるため、価格を抑えながらも利益を確保しやすいわけですよ、これはジレンマかもわかんないけれども。
2024年10月に発表されたファミリーマートの決算では、PB商品の販売が好調で、パンや総菜、アパレル関連などのPB商品が消費者に好評であり、増収増益に貢献しているとのことでした。
さらに、PB商品は自社ブランドを持つことによって、他社との差別化を図る手段にもなります。例えば、ファミリーマートの「コンビニエンスウェア」や、イオンの「トップバリュ」シリーズなどは、消費者にとって「この店でしか買えない」という特別感を提供し、価格と品質のバランスを維持した商品として支持されています。PB2.0っていってもいいんじゃないかな。
小売業者がPB商品を増やすことは、他の店舗やオンラインショップとの差別化戦略の一環でもあり、競争の激しい市場での生存戦略でもあるわけです。
企業側がPB商品に力を入れる理由のひとつに、近年の厳しい経済状況もあります。賃上げやデジタル化の推進に伴って、企業はさまざまなコスト増加の影響を受けており、収益を維持するための効率化が求められているからです。
例えば、イオンは、総合スーパーマーケット事業の損益改善のため、業務の自動化や簡素化、そしてサプライチェーン改革を進めると発表しており、こうした取り組みの一環としてPB商品の拡充が進んでいるのではないかと思われますね。
【PB商品の品質向上と消費者の価値観の変化】
以前は「安かろう悪かろう」と思われがちだったPB商品ですが、近年は品質が大幅に向上してきており、消費者の間で評価が変わりつつあります。アメリカでは「PB商品を選ぶ理由は価格だけでなく、品質や味も重要視されている」との調査結果があり、日本でもPB商品の品質が上がっている点が支持される理由のひとつです。
数年前に、テレビのインタビューを受けた際に「PBは品質が悪いイメージですが」っていわれて驚きましたよ。「いつの時代だ」ってね。
特に食品分野では、PB商品でも国産素材を使用したり、健康志向に対応した商品が増えています。例えば、セブン-イレブンは低価格帯の「うれしい値!」シリーズを拡充し、手頃な価格で消費者に高品質な商品を提供する方針を示しています。このように、単なる価格の安さだけでなく、「価格に対して納得のいく品質が得られる」という点が、PB商品の購買動機をさらに後押ししているわけですね。
また、PB商品にはシンプルで使いやすいパッケージや機能性が重視される傾向もあり、「シンプルなものを選びたい」という消費者の価値観にフィットしているとも言えるでしょう。セブンだけじゃなく、他のところもいいよね。
また、無印良品のように「PB商品自体をブランド価値として確立する」企業も増えており、PB商品に対する信頼が強まっています。PB商品が単なる「安物」というイメージから、「安くても良いもの」というイメージに変わってきたことが、消費者の価値観に合致しているのではないでしょうか。
【価格競争が進む中でのPB商品の重要性】
競争が激化する小売業界において、PB商品は価格競争の中で重要な武器となっています。近年は、ネット通販やディスカウントストアの台頭により、消費者がより安価な選択肢を求める傾向が強まっています。まだまだ安い商品が求められるなって印象ですね。
このため、競合他社との差別化を図るために、各企業はPB商品の展開に力を入れるようになっています。特に、価格の優位性をアピールできるPB商品は、他社から顧客を取り込むための戦略として機能しています。
例えば、イオンやファミリーマートといった大手小売業者は、PB商品の価格引き下げキャンペーンを積極的に行い、顧客の節約志向に応えています。これにより、消費者が「少しでも安い商品を」と思っているときに、手軽に選べる商品としてのポジションを確保しているわけです。加えて、PB商品を通じて一貫したブランド体験を提供することにより、価格競争に巻き込まれつつも、他社との差別化を図ろうとする狙いがあると考えられます。
まとめです。
PB商品がこれほど多くの支持を集めるようになったのは、やはり消費者のニーズと時代の変化にしっかり応えられているからじゃないかと思うんですよね。特に、消費者が「質を重視するが、コストも抑えたい」と考える時代において、PB商品は絶妙なバランスでそのニーズを満たしているように感じます。