幼稚園バスへの取り残され事故を防ぐために、今すぐできるハードウェアの対策をご提案します。
通園バスに取り残された園児が熱中症で亡くなる事故が発生したことは、みなさんご存知のことと思います。その後、さまざまな対策が考えられていますが、今すぐできるハードウェアの対策を、ひとつご提案します。
それは、「リモコン式集中ドアロックの機能を停止させること」です。
最近のクルマの多くは、キーに付いているスイッチを押すだけで、すべてのドアがロックできるリモコン式集中ドアロック装置が装備されています。クルマから離れたところからでも解錠/施錠できる便利な機能ですが、これを使えなくしてしまうのです。
集中ドアロックを使わずに、すべてのドアをロックするには、それぞれのドアについている鍵穴にキーを差し込んで回すか、いったんドアを開け、内側に付いているロックレバーを操作してからドアを閉め直す必要が生じます。いずれの操作を行うにしても、後席ドアの横に回らなければなりません。普通免許で運転できる小さな園バスならば、そのときに車内の様子は確認できるはずですし、ドアを開けて操作するなら(たとえ窓までラッピングしてあっても)、車内を確認することができるはずです。
仮にこの作業を怠った場合でも、ドアはロックされていませんから、チャイルドプルーフ(内側からはドアが開けられなくなる機能)を使用していない限り、取り残されても自力で脱出することができます(年齢によっては力が足りない可能性はあります)。
これを行うには、集中ドアロックのヒューズを抜いてしまうという方法がありますが、クルマによってはひとつのヒューズで他の機能も賄っている場合がありますから、ディーラーや整備工場にお願いして、後席ドアロックの配線を外してもらうのが良いのではないかと思います。
もちろん、これで置き去り事故が100%防げるわけではないでしょうし、そんなことをしなくても安全確保できるようにするのが第一だと思いますが、コストも時間もかけずに今すぐできる対策として、ご提案しておきます。