安芸キャンプ打ち上げ!締めくくりに行われた2つの練習試合《阪神ファーム》
きょう3月1日は阪神タイガース春季キャンプの打ち上げでした。高知の安芸キャンプでは12時25分ごろにメイングラウンドで連帯歩調が始まり、それに続いてマウンドの周りを安芸市長や安芸市の方々、平田監督、コーチ、選手全員とスタッフ、アルバイトの学生で円陣を作って手締めです。
挨拶は、熊谷選手とともに平田監督が高く評価する板山選手。限定はしていませんが、まあ安芸キャンプMVPみたいなものですよね。宜野座キャンプの野手MVPは奇しくも同期の高山選手だとか。真の戦いはここからです。安芸だろうが宜野座だろうが、目の色を変えてアピールしまくってください!
では手締めの挨拶文を書いておきます。
「安芸市の皆様!」と大きな声で始まったはいいけど、もう一回「安芸市の皆様!」と板山選手。え、どうしたの?もしかして何か忘れちゃたのかしら?と心配したけど大丈夫、すぐに立ち直りました。
「安芸市の皆様、球団関係者の皆様、阪神園芸の皆様、ホテルタマイのスタッフの皆様、1か月間、大変お世話になりました。おかげさまで精一杯1か月間、野球に打ち込むことができました。キャンプは終わりますが、ここからが本当の勝負です。宜野座組に負けないよう、1軍の日本一のワンピースになれるよう1年間、精一杯頑張っていきます!1か月間、本当にありがとうございました」
ワンピースは1つのピースという意味で、決して“ゴム人間”のことではない…と私は思っていますが。どうなんでしょう?
最後の土日だった2月27日と28日には、宜野座も安芸も練習試合が行われ、ファームのコーチ陣は宜野座キャンプに参加している若手、中でも昨年は安芸で2月を過ごした2年目の西純投手や小野寺選手の活躍ぶりに大喜び!これはもう親心以外の何ものでもないですね。
宜野座の様子が気になるのは選手も同じでしょう。負けてはいられないと、安芸でもアピール合戦でした。では2試合の結果と経過、コメントをご紹介しましょう。なお今回聞いたお話を一気にすべて書ききれないので、また次回以降に持ち越すものもあります。ご了承ください。
【27日 香川戦】1イニングに4盗塁!
27日は四国アイランドリーグplusの香川オリーブガイナーズと対戦。先発は2年目の及川投手で、江越選手が23日の西武戦に続くホームランを放っています。板山選手、熊谷選手は相変わらず好調ですね。ルーキー・高寺選手は途中出場ながら内野安打2本を放ちました。では試合結果をどうぞ。
<安芸キャンプ練習試合>
2月27日
阪神-香川 (安芸市営)
香川 100 000 000 = 1
阪神 000 300 100 = 4
※特別ルールにより9回裏まで
◆バッテリー
【香川】近藤壱(3回)-若松(1回)-龍頭(2回)-福岡(1/3回)-大高(2/3回)-橋爪(2回) / 河埜-蜂谷(5回~)
【阪神】及川‐桑原-石井将-伊藤 / 藤田-長坂(7回~)
◆本塁打 香:田代ソロ(及川) 神:江越ソロ(福岡)
◆盗塁 神:植田、熊谷、板山、遠藤、高寺
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失)
1]右:江越 (5-1-1 / 0-0 / 0 / 0)
2]三左:植田 (2-0-0 / 2-3 / 1 / 0)
3]中二五:熊谷 (4-2-1 / 2-1 / 1 / 0)
4]一:板山 (4-1-0 / 0-0 / 1 / 0)
5]二:荒木 (1-0-1 / 0-0 / 0 / 0)
〃遊:高寺 (2-2-0 / 0-0 / 1 / 1)
6]指捕:長坂 (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
7]遊三二:遠藤 (3-0-0 / 0-1 / 1 / 0)
8]捕指:藤田 (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
9]左中:奥山 (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0)
◆投手 (安-振-球/失-自)
及川 5回 17人 66球 (3-2-1 / 1-1)
桑原 1回 4人 12球 (1-0-0 / 0-0)
石井将 2回 6人 27球 (2-2-0 / 0-0)
伊藤 1回 4人 22球 (0-1-0 / 0-0)
《試合経過》※敬称略
まず投手陣。1回の立ち上がり、5球で2死を取った先発・及川と藤田の同級生バッテリーが、3番・田代に136キロの直球を打たれ、これがレフトへのホームラン。しかし2回は1四球のみ、3回と4回は1死からの1安打ずつで、ともに内野ゴロ併殺に打ち取ると5回は三者凡退!3安打1失点でした。
6回は桑原で、先頭の9番・川上に初球の真っすぐを左前打され、犠打で1死二塁となりますが、まったく問題なし。7回から石井将と長坂のバッテリーに代わって、7回は内野安打で出した走者を自身の牽制から挟殺、8回は先頭をヒットで出すも併殺打と3人ずつで片づけ無失点です。
9回は伊藤が登板。先頭を味方エラーで出しながら後続をファウルフライ2つと、最後は空振り三振で走者を進めることなく投げ終えています。
一方、打線は香川の先発・近藤壱の前に1回、2回と三者凡退。3回も2死まで抑えられましたが、ようやく9番の奥山が初ヒット!この回は無得点だったものの、4回は2人目の若松から植田が四球を選んで二盗、続く熊谷の右前タイムリーで追いつきます。熊谷も盗塁を決め、板山は右前打で無死一、三塁、板山も盗塁して二、三塁として荒木の中犠飛で勝ち越しました。
まだ続きます。2死後に遠藤が四球を選び、これが暴投で板山は三塁へ。さらに遠藤も二盗、続く暴投で三塁から板山が還って、この回は足を絡めて3点を奪っています。5回と6回は1安打ずつで得点はなし。7回には1死から江越が左中間へ、打った瞬間にそれとわかるホームランを放って1点追加!そのあと2四球や相手エラーなどで満塁としますが、ここは1点だけでした。
8回と、特別ルールで行われた9回は香川6人目の橋爪に完璧に抑えられ、最後は2者連続三振で試合終了です。
同世代には負けない!及川投手
13日の四国銀行戦で2イニング(2安打1失点)、20日の西武戦は先発で4イニング(4安打1失点、自責0)投げていて、これが3試合目の登板でした。今季最長の5イニングを投げて3安打1失点。では振り返ってもらいましょう。
「キャンプで3試合投げさせてもらって、その中では感覚が一番よくなかったかなと自分では思いますけど、その中でこういう結果につなげられたので、そこはよかった。感覚があまりよくなくても、きょう(キャッチャーが)藤田だったので試合中にベンチで聞いたら『確かに(スピード)ガンは、ちょっとよくないけど、強さはあるよ』と言ってくれていたので、自分が思っているほど悪くはなかったのかも」
フィールディングはさすが!ベースカバーもすばやくて流れるような動きでした。「そうですか(笑)。それはもう高校で鍛えられているので。横浜高校はいい意味で細かく、みっちりと投球以外のことも学ばせていただきました」
同じ日、宜野座で西純投手が1回無失点だったため、西純投手の存在というのは気になるか?という質問が。及川投手は「そうですね。(西)純矢に限らず、同じ年代の人も1軍のキャンプに行っていますし、いい刺激になっています」と答えています。
今後は?「まずキャンプの疲れがあると思うのでそれを取ることと、疲れていてもしっかり投げられるように。そういうことができるようになってきたら1軍でも投げられるかなと思うので、そこを何とか見つけられるようにやっていきたいです」
久々に見とれた江越選手のHR
2試合連続のホームランを放った江越選手は「今、結果は気にしていないので。試合の中である程度、自分が意識していることはできていると思います。その中でもミスショットなどはあるんですけど、そこはまた課題として練習から意識してやりたいです」と冷静なコメント。
意識しているのはどういう部分かと聞かれ「そうですねえ。他の人に真似されたら嫌なので、言わないです」と真顔で答えるので、え?と思ったら「冗談です」と、これまた真顔で(笑)。「一番はタイミング、ですかね。あとはしっかり下半身を使って強く振ることです」
オフからフォームもいろいろ試してきて、落ち着いてきた感じはある?「そうですね、落ち着いてきたというか、今取り組んでいることをしっかり続けてやっていきたいと思っています。その中でまた課題も見つかってくると思うので、そこは微調整。大きく変えるのではなくて、ちょっとずつ修正しながらと思っています」
平田監督がキャンプ後は1軍で、と話していました。江越選手自身もそういう気持ちですか?「もちろんです」。外野のポジション争いは相変わらず激しいですけど。「もちろん、そこは意識してやっています」。静かだけど強い言葉でした。
【28日 高知FD戦】10安打プラス10四球で…
変わって2月28日四国アイランドリーグplus・高知ファイティングドッグス(以下は高知FD)を迎えての練習試合。朝、高知FDの選手たちが体をほぐし始めたサブグラウンドの前で、吉田豊彦監督にご挨拶をさせていただきました。あまり接近しての会話も申し訳ないので、本当に挨拶だけで引き揚げようとした時、吉田監督が「石井大智をよろしくお願いします!」と。
そうそう、その話をし忘れていました。ルーキーの石井大投手は高知FD出身ですもんね。安芸にいたら元チームメイトのみんなと会えたし対戦もできたのに宜野座キャンプで残念…なんてことはありません!嬉しいすれ違いですよね。きっと吉田監督も、大きく掲載された新聞記事などを親御さんのような笑顔でご覧になっているでしょう。
さて今キャンプ最後の試合は、打線が10安打と10四球などで7点を取り、投手陣は岩田稔投手が初登板、そのあと4イニングを投げ二塁を踏ませぬ好投を見せた浜地投手など、計6人で3安打完封リレーでした。
<安芸キャンプ練習試合>
2月28日
阪神-高知 (安芸市営)
高知 000 000 000 = 0
阪神 002 001 040 = 7
※特別ルールにより9回裏まで
◆バッテリー
【高知】屋比久(2回)-山崎(1回)-藤井(2回)-宮森(1回)-松下(1回)-有水(1回)-平間(1回) / 大原-松田政(6回~)-福井(9回)
【阪神】岩田稔‐浜地-守屋-尾仲-牧-望月 / 長坂-藤田(7回~)
◆二塁打 高:桑原 神:植田、江越、板山
◆盗塁 神:植田、高寺、奥山
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失)
1]中左:江越 (4-1-1 / 1-1 / 0 / 0)
2]右遊:植田 (4-2-0 / 0-1 / 1 / 0)
3]遊右:熊谷 (3-0-0 / 1-2 / 0 / 0)
4]二:板山 (5-2-3 / 1-0 / 0 / 0)
5]一指:荒木 (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
〃打指捕:藤田 (3-1-2 / 0-0 / 0 / 0)
6]捕指:長坂 (4-2-0 / 0-1 / 0 / 0)
7]指三:高寺 (4-1-0 / 2-1 / 1 / 0)
8]三一:遠藤 (3-0-0 / 2-2 / 0 / 0)
9]左中:奥山 (3-1-0 / 0-2 / 1 / 0)
◆投手 (安-振-球/失-自)
岩田稔 1回 3人 8球 (0-1-0 / 0-0)
浜地 4回 13人 46球 (1-4-0 / 0-0)
守屋 1回 4人 12球 (1-0-0 / 0-0)
尾仲 1回 5人 19球 (1-2-1 / 0-0)
牧 1回 4人 16球 (0-0-1 / 0-0)
望月 1回 3人 9球 (0-1-0 / 0-0)
《試合経過》※敬称略
先に投手陣です。まず岩田稔はわずか8球で三者凡退。ついで登板した浜地は2回と3回を三者凡退、4回は2死からヒットを許しますが4番・大原を142キロの真っすぐで3球三振!5回は再び三者凡退で、1安打無失点。二塁を踏ませぬ好投でした。
6回は守屋が先頭に二塁打を浴び、そのあと2死三塁とするも、最後はセカンド板山が一、二塁間を抜けると思われた打球に飛びついて好捕!後続を断ちます。7回は尾仲と藤田のバッテリーで、先頭にヒットを許したあと暴投3つで2死二、三塁とするもピンチをしのぎます。
8回は牧が登板し、先頭に四球を与えながらも後続を二ゴロ3つで片づけて、9回は望月がビシッと三者凡退で締めました。
打線は2回まで3四球をもらいますがヒットなしで無得点。しかし3回、高知2人目・山崎から植田の二塁打と熊谷の四球、さらに植田の三盗(2-6-5と渡る中でショートの送球が逸れ三塁到達)、その間に熊谷も二塁へ進み1死二、三塁とチャンスが広がって、4番の板山が右前タイムリー!2人を還します。
板山も二塁へ、と思ったら一塁を越えたあたりで相手野手を指差していました。そこに「走塁妨害」とアピールする声。でも審判はランナー一塁というジェスチャーで「走塁妨害ではありますが、ボールはここにあって…」とホーム方向を見ながら説明。よく聞こえなかったけれど、とりあえず走者一塁で再開され、この回は2点止まりです。
次は6回、先頭の高寺が四球を選んで盗塁成功、1死後に奥山も四球で一、二塁として江越が左翼線ぎりぎりに落ちるタイムリー二塁打!8回には奥山が四球を選び1死後に二盗、植田の中前打とセンターのエラーで生還しました。さらに熊谷の四球で一、二塁となり板山が右中間フェンス直撃のタイムリー二塁打!なおも1死二、三塁で途中出場の藤田が2点タイムリー!
8回に4点を追加し、7対0と差を広げた阪神。特別ルールで行われた9回裏は、高知7人目の平間に対して2三振など三者凡退で試合が終わりました。平間は最初から140キロ後半の直球を投げ込み、奥山への2球目(ボール)では149キロを計測。無観客ながら両軍ベンチや取材陣から「おお~!」という声が漏れたことを付け加えておきます。
中堅どころもルーキーも丸印
では平田監督の談話からです。浜地投手について「この前よりはよかったよ。このくらいでよかったって言われても、俺らは低いレベルで見てないからね、彼を。1軍のセットアッパーとか、そういうところを任せられるようなポジションで見ているから。3イニング目には変化球が悪かったからブルペンに行って投げとったやん。自分なりに考えながらやってるなって見てた」
ついで、第3クールに指を傷つけてしまい、最後の試合で登板を果たした望月投手に「モッチーはよかったね。久しぶりの登板で心配していたけど、この2日間はブルペンもすごくよかったからね。真っすぐの質がよくなってきている。全部、スピードが出なくてスライダー回転していたのが、真っすぐの質もよくなってきたのでよかった」と安心した様子の平田監督。
次に高寺選手の話になり、これで6試合すべてにヒットが出た点を「大したもんだな」と評価したあと「これから1軍から何人か来る可能性もあるので、きょうはサードを守らせた。とりあえずはショートが中心になるやろうけど、ショートとサードもしとけば出場機会も増えると思ったんでね」と今後のことも。楽しみな選手だと言います。
そして好調なまま実戦を終えた板山選手には「板山はもう守りといい、バッティングといい文句のつけようがないね。姿勢といい。うん。本人が、きょうはセカンドをやりたいっていう希望もあったのでセカンドにしたけど、バッティングも含めて板山は仕上がってる。競争に入っていけるわ」
1軍に推薦したくなる選手ですね?「当然そうでしょ。結果も出してるやん。江越なんかはまだ結果を気にせんでええって言ってるから。自分のバッティングを固めて呼ばれたときに勝負できるように、ヒットだけを欲しがったりするなよ、今やってることをゲームで出してくれって。でも板山たちは勝負のアレが違うからね。守りも盗塁の意欲、走塁も含め全部に対しての意欲はものすごく感じる。期するものがあるんじゃない?ことしは」
岩田稔投手が今季初の実戦登板
では選手のコメントをご紹介しましょう。今季初の実戦登板だった岩田稔投手です。振り返って「まあ投げられたので、よかったかなと思います」とのこと。わずか8球で三者凡退という内容、いかがですか?「きょうに関しては、ちゃんと投げきれたのでよかったかなっていう感じです」。気温が低めだったのは?「寒かったですけど。これからどうなっていくかだと思うので、今のところは大丈夫です」
前回のブルペンは直球が思うようにいかないという話でした。きょうは?「欲を言えば、もうちょっと低めに、という感じですかね」。三振はスライダーですが、真っすぐで押して変化球を効果的に使えたのでは?「きょうは真っすぐでファールを取れたらいいなと思って投げていた。カウントは取れていたから、よかったかなと」
今後はどうなりますか?「これからはイニングを増やしていけばいいと思うので、次投げるときにもしっかり投げていきたいというくらいですかね」。どれくらいに何イニングかは?「まだ段階を踏んでという感じだと思います。まだ1ヶ月あるので」
安藤投手コーチは岩田稔投手について「思ったより投げられたと思うので、これからイニングを伸ばしていけるなという感じ。鳴尾浜に戻ってから3イニングくらい投げていければ」と話していました。今のところは先発で、という方針のようです。
“いい自分”を知るがゆえの歯がゆさ
浜地投手は「前回よりはよかったと思います。真っすぐに関しては」と言います。まだ課題があるということ?「そうですね。真っすぐがもっとよくなるな~っていうのがあるんですけど、それを出しきれなかったので。そこをもうちょっと、自分が持っているものを100%出せるようにやっていかないと、と思います」
それは球速に関してですか?キレとか?「うーん、球速はもっと出てくると思うんですけど、自分のリリースの感覚というか、投げた光景?そういうのがまだ足りないなと思うので。そういうところですかね」
まだ足りないけど、もうちょっとでいけそうだぞーっていう感じはありますか?「そうですね。去年よりずっとよくなっていると思いますし、その“いい自分”というのを知っているだけに、それをゲームで出しきれていない歯がゆさもありますけど、できるというのが自分でわかっているので、そこをいかに表現するかだとは思います」
4回1安打無失点、二塁も踏ませずという内容は上出来では?「去年も上(宜野座)のキャンプで失点しなかったけどファームに落ちて、1軍戦で1試合投げた時もゼロだったけどまた落ちて、ということがあったので…。結果はもちろん大事なんですけど、それ以上に1軍の首脳陣に使ってもらえるような力?自分の地力をもっと上げていかないと」
理想のストレートまで何%のところまで来ていると感じますか?「どうですかね、いいところまでは来ているんですけど、まだ全然。もっとよくなると思いますし、それをもっと表現しないと周りの人からは今がMAXというふうに見られるので、自分の持っているものをちゃんと出していかないとな、と思います」
ヒット性の打球でも「止めてやる!」
最後の練習試合でも2安打3打点と4番の仕事をした板山選手は、6試合すべてでヒットを放ち25打数12安打9打点、打率は.480。しかも2月23日に春野で行われた西武戦の3打数3安打3打点(三塁打1、二塁打2)など3安打が2試合、2安打も2試合。
かなりの手応えがあるはずでしょう?「手応えと言っていいのか。西武戦で内海さんとか榎田さん、武隈さんも1軍で投げているピッチャーだし、そういうところで結果が出たのはいいですけど、まだ打ち損じている打席があるので。まあヒットが出たのはよかったですが、満足せずにやりたいと思います」
この日はセカンドでフル出場でした。平田監督によれば、セカンドを守りたいと板山選手が志願したとか。それはなぜ?「全部守れるのは長所でもありますが、1つのポジションを奪っていかなきゃいけないんで。去年(1軍の)試合に出たのがセカンドだったし、まあ糸原さんというレギュラーはいますけど」
さらに続ける板山選手。「外野手に関しては新しい外国人も来ると思うし、競争も激しい中で自分はそこかなというのがあった。その前の試合もファーストを守らせてもらって、それも外国人がファーストを守った場合の守備固めだったり。そういう、求められたところでしっかりいけるようにと思って、お願いしますと監督に言いました」
28日の試合では6回に一、二塁間を抜けていくかという打球に飛びついて捕り、守屋投手を救ったプレーが!「あれはよかったです(笑)。ツーアウト三塁だったので、ヒット性の打球が来ても飛びついてでも止めてやろうっていうイメージはあった。そこにたまたま打球が来てくれて、イメージ通り。ピッチャーを助けられたのでよかったです」。…されは抜けたと思いましたねえ。「僕は“来た!”と思いました。マジで」
このポジティブシンキングが好循環を呼んでいるのですね。“MVPのようなもの”に名前が挙がった板山選手のコメント、次回も書かせていただきます。
取材での答えも一生懸命
この日は初めてフル出場したルーキーの高寺選手。前日は内野安打2本でしたが、今度はクリーンヒットが出ています。試合を振り返ってどうですか?「ヒットはヒットでいいんですけど、1打席目のような(見逃し三振)打席を少なくしていかなければいけないと思います」。原因は何でしょう?「今考えているんですけど…。振りにいけなかった原因をしっかり考えて、次はああいうのが1打席もないようにしたいです」
今考えているんですね。なるほど。ほんと一生懸命考えている感じがします。では4打席目のヒットは?「振りにいけたことが一番よかった。振りにいけば結果も出るというのがわかってきたので、しっかり初球から振っていきたいと思います」
キャンプ中に何か新しく取り組んだことはある?「キャンプの最初に、コーチから言われたんですけど、下半身が使えていないということが分かったので、もっと下半身を強くしてしっかり使えば、もっと長打も打てると思う。下半身を使うバッティングをこれからも練習していきたい。最初よりは強い打球がいくようになったかなと少し思います」
初めて試合でサードを守ったが難しかった?「やったことのないポジションではないので、そこまでの違和感はなかったです」。ポジションに関して、こだわりは?「特にないですけど、できればショートっていうのは守りたいポジションです。でも試合に出ることが優先なので、どこでも守りたいです」
次の“安芸キャンプ総括”でも選手のコメントをご紹介しています。こちらからご覧ください。→安芸キャンプ“MVP”、打率.480でも「もっと打ちたかった」と板山選手
<掲載写真は筆者撮影>