絶対に食べておかねばならない 名古屋のラーメン「個性派」3軒
名古屋で生まれた個性豊かなラーメンたち
人口200万人都市である名古屋には、地元で愛されているご当地グルメが数多く存在する。「ひつまぶし」「味噌カツ」「味噌煮込みうどん」「手羽先」「どて煮」「鉄板スパ」「きしめん」「モーニング」などなど。名古屋市では名古屋のグルメを『なごやめし』としてアピールする活動も行っている。
そんな名古屋ではもちろんラーメンも愛されているグルメの一つ。全国には見られない名古屋ならではのラーメンも数多く存在している。前回の「基本」編に続いて今回は言わば「応用」編。名古屋に行ったら絶対に食べておきたい名古屋ならではのラーメンをご紹介しよう。
うどんや蕎麦と一緒に食べる『長命うどん』(1913年創業)
創業は今から100年以上も前、1913(大正2)年という長い歴史を持つ店が『長命うどん』(本店:愛知県名古屋市中村区下中村町1-3)。名古屋や岐阜などに店舗を展開するローカルチェーンのうどん店だが、2022年には東京恵比寿にも初出店している。うどん店ながら名古屋のラーメンを語る上では避けては通れない存在の店だ。
この店ではうどん、蕎麦、中華そば、きしめんがあり、それらを自由に組み合わせて楽しむことが出来る。一番人気はうどんと中華そばを一緒に入れた「う中」。異なる麺を一緒に食べる独特な食感を楽しむことが出来る。つゆも温かいものと冷やしの中間の「ぬる」があり、具材も自由に組み合わせれば100種類以上の組み合わせの中から、自分だけの一杯を見つける楽しさがある。
名古屋人のソウルフード『スガキヤ』(1946年創業)
1946(昭和21)年、名古屋栄で甘味処として創業。以来、名古屋を中心に東海地方や関西圏に250店舗以上展開しているラーメンチェーンが『スガキヤ』だ。名古屋人なら誰もが一度は食べたことがあるソウルフードラーメンだが、ラーメンがメニューに加わったのは1948(昭和23)年のこと。今でもラーメンとソフトクリームやぜんざいをメニューに揃えている。
まろやかな甘みのある豚骨スープに、魚介系素材や昆布の出汁を合わせたWスープ。言わば「和風豚骨ラーメン」の草分けとも呼ぶべき、日本人の味覚にマッチしたスープの味わいがクセになる。自家製の縮れ麺は噛み締めるごとに味わいが増していく。箸を使わずに麺とスープを一緒に楽しむことが出来る「ラーメンフォーク」で食べるのも楽しい。
知る人ぞ知る「重油ラーメン」の店『今池 呑助飯店』(1950年創業)
飲食店が数多くひしめき合う今池で、長年地元民に愛されている店が『今池 呑助飯店』(愛知県名古屋市千種区今池5-14-8)。創業は1950(昭和25)年と70年以上の歴史を持つ。餃子や炒飯、一品料理なども揃う町の中華屋さんだが、この店で食べるべきはラーメン。通称「重油ラーメン」だ。
正式名称は「伝統の油こってり濃い口(ラーメン)」で、なんとスープは鰻のタレのように創業以来欠かすことなく豚骨や野菜などを継ぎ足して作っている。油がびっしりと表面に浮いた真っ黒いスープはまさに重油。インパクトとパンチに溢れた一杯は好き嫌いが分かれるかもしれないが、ハマる人にはとことんハマる一杯だ。
名古屋には「なごやめし」以外にもオリジナリティあふれるラーメンがまだまだたくさんあるので、食べ歩きの時にはラーメンも思い出して、ラーメン店にも足を運んで頂きたい。
※写真は筆者によるものです。
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