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守備的MFの構成を多彩にしなければサッカーは持続しない。いま大島僚太に注目したい理由

杉山茂樹スポーツライター
(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)

 去る土曜日。横浜F・マリノスが柏レイソルに4-0で勝利した試合を横浜国際日産スタジアムで観戦した後、等々力競技場に移動。川崎フロンターレがジュビロ磐田に1-1で引き分ける試合を観戦した。首位横浜FMとそれを勝ち点1の差で追う3位川崎。両者は成績的には競った関係に見える。鹿島アントラーズとともに3強を形成しているように見えるが、どちらのサッカーが魅力的に見えるかと言えば、横浜FMになる。2つのスタジアムを梯子してみて、それは改めて鮮明になった。

 川崎にとって不利な点は、比較の対象が直近の5年間で4度優勝した自身の過去にも及ぶことだ。横浜FMに対して見劣りするだけではない。それはスタジアムに詰めかけた観客がいちばん理解しているのではないか。

 Jリーグの場合は放映権がDAZNに移ってから、その額は飛躍的に上昇している。5年間で4度優勝している川崎には、莫大な賞金が舞い込んでいるはず。資金は潤沢だと思われるが、それが選手強化に充てられているように見えないのだ。三笘薫、旗手怜央、守田英正、田中碧と言った代表級の選手がチームを去って行ったにもかかわらず、彼らと釣り合いが取れそうな有力選手を、外国人を含め獲得することができていない。36歳の家長昭博がチームの中心選手としてフルタイム出場する姿、さらには、けっして強いと思えぬ磐田に終了間際、同点ゴールを浴びる姿に、モデルチェンジできない川崎の問題を見て取ることができる。

 川崎に関してはその一方でよい話もあった。前節の北海道コンサドーレ札幌戦で開幕戦以来となるスタメン出場を飾った大島僚太が、この磐田戦でも続けて先発を飾り、90分間フル出場を果たしたことだ。その間、交代出場が2試合あるので出場試合で言えば5試合目になるが、ご承知のように、ここしばらくは故障と復帰をくり返してきた。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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