入社して6ヵ月経つと急に「やる気」がなくなる新入社員の特徴
■新入社員は照れずに「やる気」を前面に出せ
新入社員の強みは、「やる気」である。照れずに「やる気」を前面に押し出すべきである。その「やる気」を見て苦笑する人や、やれやれと言う人は年齢の近い2年か3年先輩の社員だ。
ベテランの部長クラスや経営幹部、社長はもちろん、もろ手を挙げて歓迎するだろう。
「今年の新入社員は活きがいいねー!」
と喜ぶはずだ。相手の期待に応えることは重要である。それは「仕事で成果を出す」という遠い先のリターンではなく、目先の受け答えでも必要だ。
「これから大変だろうけど、頑張ってくれよ!」
と言われたら、
「わかりました。頑張ります!」
とキラキラした目で応じるだけでも、相手の期待に応えているのである。とくに上層部は、新入社員の「姿勢」を見ながら、自分の活力にしようとする。エネルギーを欲しているのだから、持っているエネルギーを分けてあげるだけでいい。
新入社員の二大長所は「やる気」「素直さ」である。長所は長所のまま、ずっと持ち続けてほしい。摩耗させないでほしいと強く願う。
■なぜ半年ほど経つと急に「やる気」を落とすのか?
しかし、社会人になって半年ほど経つと、「やる気」を落としてしまう人がいる。失望する何かがあったわけではなく、「なんとなく」気持ちが落ち着いてしまうのだ。
新入社員でなくても、自己啓発書やビジネス書を読んだり、セミナーに出かけたりして「よし、やるぞ!」「がんばるぞ!」と気持ちの高ぶりを覚える人は多い。しかし、そういう人も、しばらくすると元の状態に戻ってしまう。
私はこのような思考を、「スパークリング思考」と呼んでいる。
炭酸水は、コップに注いでからしばらくシュワシュワ、パチパチとスパークルするが、時間が経つごとに泡が消える。最終的にはただの水になる。
刺激を受けて一気にテンションが上がっても、しばらくすると何事もなかったかのように元に戻ってしまう。結果、テンションが上がった割には何も変化しない。これがスパークリング思考の特徴である。さらに、テンションが上がっては一気に下がる様子が頻繁に目撃されると最悪である。
「また言ってるよ」
「どうせ長続きしないでしょ」
という烙印を押されてしまう。
■新入社員は「ミネラルウォーター思考」を目指せ
「やる気」があっても長続きしないのは、「あたりまえの基準」が低いからだ。その日のテンションや気分で「振れ」が起こる。
気分の「振れ」が頻繁に起こる人は疲れやすい。甘いものを食べるたびに血糖値を上昇させる人も、疲れがたまる。忙しくアップダウンを繰り返すからだ。
朝9時出勤が義務付けられている会社に、9時までに出勤するのはあたりまえである。その日の感情やフィーリングで判断しない。
最初だけ勢いよくスパークルして、急激に気が抜けてしまう炭酸水のようになってはいけない。シュワーとテンションを上げなくても、着実に今のやる気を持続する路線でいくべきだ。そんな着実路線を取れる思考タイプは、「スパークリング思考」に対して「ミネラルウォーター思考」と呼ぶ。
「よし、やるぞ!」
「がんばるぞ!」
と叫ぶより、今のまっすぐなやる気が保たれる。着実に実力をつけていくのは、見た目は静かでもミネラルをたっぷり含んだ、ミネラルウォーターのような人なのだ。
慣れてくると、「自分のできる範囲でいいよ」「目標はあくまでも目標で、頑張るだけムダ」という雑音が聞こえてくるかもしれない。
これらはすべて「不純物」だ。
■軟水よりも硬水を目指す理由
不純物を受け入れると、ミネラルウォーターの価値は一気に下がる。社内の悪しき風潮に染まると、「あたりまえの基準」が下がる。つかの間だけ弾ける炭酸水より、純度の高いミネラルウォーター、特にエビアンのような硬水のミネラルウォーターを目指すべきである。
新入社員は、口当たりのいい軟水である。そこから、積極的に自己投資をし、多くの本を読み、社外で切磋琢磨できる仲間を作り、経験と見聞を積み重ねる。
徐々にミネラルの濃度を上げるべきだ。
硬水は、軟水より飲みづらい。自己投資が過ぎてミネラル含有量が増えすぎると、個性が際立ち、社内で浮いた存在になる恐れがある。
扱いづらいと思われると、仕事がしにくくなる。ミネラルを蓄えつつも、うまく周りと同調することが大切だ。一部の人から誤解されることがあるかもしれないが、大丈夫だ。
何色にも染まれる無色透明の中にも、「自分」という芯がしっかりある人物であれば、一部の人の誤解は気にすることはない。数年後に、「一目置かれる存在」になっていればいい。
<参考記事>