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小惑星ベンヌからのサンプルリターンに成功!NASA探査機「OSIRIS-REx」のミッションとは?

OSIRIS-RExの小惑星ベンヌ着陸時撮影画像©NASA

前回の記事では、NASAが開発した探査機「OSIRIS-REx」と、小惑星ベンヌからのサンプルリターンの重要性についてご説明しました。

本記事では、OSIRIS-RExがベンヌから砂を採取し、地球へ帰還するまでをご紹介します。

NASA版はやぶさ「OSIRIS-REx」の重要ミッション(前編)

■小惑星「ベンヌ」に到着したOSIRIS-REx

小惑星ベンヌ©NASA / Wikipedia
小惑星ベンヌ©NASA / Wikipedia

2016年に打ち上げられたOSIRIS-RExは、2年の歳月をかけて2018年に無事ベンヌへ到着しました。その後、搭載機器によりベンヌの詳細な観測を行います。

ベンヌは当初、表面がなめらかな砂浜のような小惑星と考えてられていました。しかし、実際には岩が散らばったゴツゴツした表面であり、完全に予想に反していたとのことです。それにしても、はやぶさ2がサンプルを採取したリュウグウに良く似ていますね。

2年間の観測を経て、ベンヌは「活動的」な小惑星であるという特徴もわかってきました。表面からは小石やダストの噴出が観測されることもあり、これは太陽光による表面の加熱や冷却による可能性などが考えられています。これはイトカワやリュウグウには見られなかった傾向とのことです。

■遂に表面からのサンプル採取に挑戦!

OSIRIS-RExのサンプル採取の様子©NASA / Wikipedia
OSIRIS-RExのサンプル採取の様子©NASA / Wikipedia

そして2020年、遂にベンヌへの着地が実施されます。OSIRIS-RExははやぶさ2と同様、脚による着陸は行わず、サンプル採取装置を表面に短時間押し付け、すぐに浮上をします。

はやぶさ2ではサンプラーホーンを使用しましたが、OSIRIS-RExが使用するのはタグサムという装置です。タグサムは約3メートルのアームの先端に取り付けられた円形の装置で、表面に接触すると窒素ガスを噴出します。このガスにより表面が掘り起こされ、サンプルを採取するのです。

NASAによると、小惑星ベンヌの表面には岩や小石が積層しており、着地した際に機体が表面から50cm沈み込んだとのことです。巻き上がった砂の量は約6トンと見積もられています。もしベンヌから浮上するスラスター噴射を行わなければ、ずぶずぶと中に沈み込んでいったと考えられています。

そしてサンプル採取は無事に成功。目標の60グラムを大幅に上回るサンプルが集められたと判断されました。おめでとうございます。2021年にはOSIRIS-RExはベンヌを出発、地球への帰還に向けて飛行を開始しました。

■地球への帰還も無事に成功!

OSIRIS-RExが持ち帰ったカプセル©NASA
OSIRIS-RExが持ち帰ったカプセル©NASA

2023年9月24日、遂にOSIRIS-RExから切り離されたカプセルは大気圏に再突入し、アメリカ ユタ州の砂漠地帯に着陸しました。

果たしてベンヌのサンプルから生命の痕跡や地球の起源の解明につながる手がかりが見つかるのか、今後も目が離せませんね。

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