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物価高の中での「ワケあり商品」の利点

坂口孝則コメンテーター。調達コンサル、サプライチェーン講師、講演家
いまだに『激安』商品が日本では訴求性をもっています(写真:イメージマート)

このところ激安商品に再び注目が集まっています。たとえば「定価の半額以下も…直売所で買える“ワケあり商品”が人気 ギョーザ、野菜にパンも」というレポートは、あらためて厳しい国民の懐事情を明らかにしました。

消費者が「ワケあり商品」に注目している今、その人気は日増しに高まっています。特に「ワケありギョーザ」のような破損した包装や少し皮が剥がれたタマネギ、芽が出たジャガイモ、ヒビが入ったニンジンなど、見た目は少々劣るものの、機能には問題がなく、価格も手頃です。高級スーパーの直売所でも、見た目と味が正規品と変わらない「ワケありパン」が定価の半額以下で提供されています。

現象の背景

物価の高騰が続く中、消費者はより経済的な選択を求めています。製品の外見の小さな欠陥が、価格に大きく影響するため、多くの人がコストパフォーマンスを重視するようになりました。また、廃棄を減らすという環境への配慮からも、これらの商品は選ばれています。

調達・サプライチェーンからの解釈

サプライチェーンの観点から見ると、この現象は逆説的ですが、資源の有効活用を示しています。商品がわずかな理由で市場価値を失うことなく、消費者にとって魅力的な価格で提供されることは、廃棄率の低下につながります。この流れは、生産から小売までの間における非効率なコストの削減を可能にします。

改善提案

サプライチェーンを通じたこれらの製品のさらなる流通拡大を図るためには、消費者への教育が重要です。商品の選び方や、見た目の問題が実際の使用にどれほど影響しないかの情報提供が必要です。また、小売業者は「ワケあり商品」をもっと前面に出し、その魅力を積極的にアピールすることが求められます。

これが続けば……

このような取り組みが消費者の購買行動や価値観にどのような変化をもたらすかは、まだ十分には認識されていないかもしれません。将来的には、このような商品選びが「新しいノーマル」となる可能性もあります。それにより、商品の美観だけでなく機能性やコストを重視する文化が育つことが期待されます。

コメンテーター。調達コンサル、サプライチェーン講師、講演家

テレビ・ラジオコメンテーター(レギュラーは日テレ「スッキリ!!」等)。大学卒業後、電機メーカー、自動車メーカーで調達・購買業務、原価企画に従事。その後、コンサルタントとしてサプライチェーン革新や小売業改革などに携わる。現在は未来調達研究所株式会社取締役。調達・購買業務コンサルタント、サプライチェーン学講師、講演家。製品原価・コスト分野の専門家。「ほんとうの調達・購買・資材理論」主宰。『調達・購買の教科書』(日刊工業新聞社)、『調達力・購買力の基礎を身につける本』(日刊工業新聞社)、『牛丼一杯の儲けは9円』(幻冬舎新書)、『モチベーションで仕事はできない』(ベスト新書)など著書27作

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