実は、季節ごとに微妙に味が違うんです…「たねや」さんの本生羊羹の秋味は風味と瑞々しさのバランス型
夏の和菓子の代表格、水羊羹。お中元としてもおやつとしても大活躍だった水羊羹は夏季限定商品というお店も多く、ラインナップから姿を消していることも。
しかし、滋賀県に本店を置く今や全国的にも有名な和洋菓子屋「たねや」さんでは、一年を通してカップ入りの柔らかな羊羹を販売していらっしゃるのです。それだけではなく、なんと季節によって微妙に味わいや風味を変えているということをご存知でしたか?
いずれも小豆こし餡を使用した水羊羹のような羊羹なのですが、よくよく比べると色味や柔らかさなどが異なるのです。その中でも今回は、一年の中で最もお気に入りの味「本生羊羹 秋味」をご紹介。
契約農場から仕入れている北海道産小豆は滋賀県の愛知川工場にて、琵琶湖からの恩恵でもある良質な水で炊き上げられていきます。どんな水質の水を使うかで、あんこの質もかなり左右されますからね。それだけではなく、その炊き方も10年以上の歳月をかけながら日々試作を繰り返し、機械に任せるのではなく人の目でチェックしながら見定めているとのこと。
また、独自の「本生製法」という熱いまま充填するという方法を開発、採用することにより小豆の風味を最大限に生かしたまま販売することを可能にしたのだとか。
その中でも秋味は、瑞々しさと小豆の風味双方のバランスが取れたタイプと言えるでしょう。穏やかで体の内側からじんわり染み込んでいくのが伝わるような羊羹は、喉の渇きを潤してくれるかのような豊潤な水分を湛えながらも、あっさりの一言で片づけてしまうには勿体ないような小豆の風味を醸しています。
洗練されすぎていない、わずかに小豆の渋みを漂わせた素材感は素朴さへとリンク。だからこそ、ふと思い立った時に食べたくなるような羊羹なのでしょう。
おひとつから購入できるものの、つい2、3個購入して冷蔵庫に入れておきたくなるような本生羊羹の秋味。私も次にどちらかの店舗へお伺いするときは、冷蔵庫で待っていてくれる分も一緒に連れて帰らなければ。
最後までご覧いただきありがとうございました。
<たねや近江八幡日牟禮ヴィレッジ(本店)>
公式サイト(外部リンク)
滋賀県近江八幡市宮内町日牟禮ヴィレッジ
0748-33-4444
年中無休
9時30分~17時