スターシップで打ち上げる宇宙ステーション「スターラボ」2020年代後半に建設、三菱商事も参加を表明
2030年末で運用終了が発表されている国際宇宙ステーション(ISS)ですが、本記事では後継ステーションとして開発が進められている「スターラボ」をご紹介します。スターシップでの打ち上げ、三菱商事の参加など、詳しく解説していきます。
■国際宇宙ステーション(ISS)の後継機として建設予定「スターラボ」
アメリカのボイジャー・スペース社とロッキード・マーティン社は、ISSの後継機として地球低軌道を周回する宇宙ステーション「スターラボ」を開発するため、スターラボ・スペース社を設立しました。
スターラボの建設は2020年代後半を目標としおり、膨脹式の居住区をはじめ、金属製のドッキングノード、動力エンジンモジュール、貨物などを運搬するロボットアーム、最先端の宇宙実験を行うラボラトリーシステムなどで構成されています。最大4人の宇宙飛行士が滞在可能とのことです。近年、商用宇宙利用が加速しており、地球低軌道における材料研究や、植物成長、宇宙飛行士の活動など、様々な分野でサービスを提供する狙いです。
■スターラボの打ち上げにはスターシップを利用
スターラボの打ち上げには、SpaceXの巨大宇宙船「スターシップ」が利用されることが発表されています。スターシップは、スペースXが開発中の世界最大の宇宙船です。スーパーヘビーと組み合わせることで、牛久大仏に匹敵する全長120メートルとなります。最大で100名もの人間を宇宙へ運ぶことのできるスターシップを使えば、スターラボを1回で打ち上げることが可能とのことです。
2024年6月6日、スターシップは4回目の試験飛行を行い、宇宙へ到達します。そして打ち上げから約1時間後、再び地球の大気圏へ突入し、スターシップのカメラからは鮮やかに燃え上がる機体と美しい地球の映像が映し出されていました。そして、スターシップは当初の目標である海上への着水に見事成功したのです。
そして、5回目の飛行試験は11月下旬となることが発表されました。打ち上げの間隔が半年空いた理由は、技術的な問題ではなく、打ち上げによる環境への影響を懸念した規制によるものだとのことです。スターシップの打ち上げが成功し、スターラボの建設が順調に進むと良いですね。
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■日本からは三菱商事が参加を表明
2024年4月、三菱商事もスターラボの建設に向けて戦略的パートナーとなることが発表されました。三菱商事はスターラボ計画に出資することで、多様な産業における地上製品開発の強化・加速させるための宇宙研究を利用し、スターラボの価値を大幅に向上させるという狙いがあるとのことです。
三菱商事の事業を起点として、日本の宇宙経済が地球低軌道まで拡大する将来が楽しみですね。
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