スターシップが11月に打ち上げへ、2026年に火星への無人着陸を計画 2028年に有人火星着陸を目標
2024年6月6日、スペースXが開発している超巨大宇宙船「スターシップ」は、4回目の軌道上への飛行試験を行い、見事地球への帰還に成功しました。本記事では、5回目の飛行試験の詳細、そして火星への着陸計画をご紹介します。
■5回目の軌道上飛行試験は2024年11月を予定
スターシップは、スペースXが開発中の世界最大の宇宙船です。スーパーヘビーと組み合わせることで、牛久大仏に匹敵する全長120メートルとなります。
2024年6月6日、スターシップは4回目の試験飛行を行い、宇宙へ到達します。そして打ち上げから約1時間後、再び地球の大気圏へ突入し、スターシップのカメラからは鮮やかに燃え上がる機体と美しい地球の映像が映し出されていました。そして、スターシップは当初の目標である海上への着水に見事成功したのです。
そして、5回目の飛行試験は11月下旬となることが発表されました。打ち上げの間隔が半年空いた理由は、技術的な問題ではなく、打ち上げによる環境への影響を懸念した規制によるものだとのことです。
■5回目の試験では「メカジラ」がスーパーヘビーをキャッチ!?
スペースXは、スターシップ/スーパーヘビーの発射台に取り付ける、「メカジラ」と呼ぶ新しい発射・着陸システムも開発しています。
従来の計画では、スターシップもスーパーヘビーも、下部の着陸脚で地面に着陸することになっていました。しかし計画が変更され、発射台のタワーに巨大な2本のアームを取り付け、上空から逆噴射しながら舞い降りてきたスターシップやスーパーヘビーを挟んで捕まえて回収することを計画しています。
これにより、着陸脚や、着陸時の衝撃に耐える構造が不要になるため、軽量化やコストダウン、再使用性の向上などが見込め、同一の機体を1日3回飛行させることも可能になるとしています。そして、5回目の飛行試験では、スーパーヘビーをメカジラでキャッチする試験も行われるとのことです。いつか宇宙船も飛行機のように運行される未来が待っているかもしれないですね。
■2026年に火星へ無人着陸、2028年には有人着陸を目標
イーロンマスク氏の発表によると、2026年には無人のスターシップで火星着陸を実施する予定とのことです。そして、もしこのミッションに成功すれば、2028年には宇宙飛行士を乗せたスターシップが火星に着陸するミッションを実施します。順調にいけば、あと数年で人類が遂に火星の地を歩くこととなるのです。
そして、スターシップはNASAが推進している月面開発プロジェクトである「アルテミス計画」においても重要な役割を担うことが決定しています。NASAによりスターシップは有人月面着陸船に選定されており、2026年に宇宙飛行士を月面へ送る使命も背負っているのです。
壮大なスケールの使命を背負ったスターシップですが、一歩づつそのゴールに向けた歩みを進めています。日本もこれに負けじと、独自の技術を発展させて行ってほしいですね。
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