新型宇宙船「ドリームチェイサー」2024年後半に打ち上げ、初ミッションはISSへの物資補給
本記事では次世代スペースシャトルとして開発が進められている「ドリームチェイサー」を解説していきます。2024年後半に打ち上げを予定している機体の詳細を見ていきましょう。
■新型宇宙船「ドリームチェイサー」
ドリームチェイサーはシエラ・ネヴァダ・コーポレーションが開発している有人宇宙船です。6人の乗員と貨物を地球低軌道へ運び、帰還させる為に計画されました。宇宙飛行士の打ち上げには有人対応型のバルカンロケットが使用されます。翼は折りたたむことができ、既存のロケットのフェアリングの中に収められて打ち上げられます。
ドリームチェイサーは滑空することにより大気圏に再突入し、世界中の通常の滑走路へ着陸できる能力を持ちます。全長は約9m、翼の長さは約7mで、スペースシャトルの約1/4のサイズの機体で、15回以上の再使用が可能となる予定です。
■2024年後半に国際宇宙ステーション(ISS)へドッキング
ドリームチェイサーは2024年後半の打ち上げを目指し開発が進められています。最初のミッションは、ISSへの物資補給です。ISSへの商業補給サービスに応募したドリームチェイサーは、「ドリーム・チェイサー・カーゴ・システム」と新たに名付けられた補給船型の機体を提案しています。
ドリームチェイサー本体に加え、後部に装着されるカーゴモジュールから構成されます。カーゴモジュールは与圧区画と非与圧区画を有しており、最大5.5トンの物資をISSに届けることができます。また、そのシャトル型の機体をいかして、約1.8tonの物資をISSから地球に持ち帰ることもできます。ちなみに、カーゴモジュールは使い捨てで、帰還時にはISSで発生したゴミなどを搭載し、シャトルとの分離後に地球の大気圏に再突入し、ゴミとともに燃え尽き処分されます。
ドリームチェイサーの大きな特徴として帰還時に受ける加速度が小さいことが挙げられます。私たちが普段生活している重力環境は1Gですね、ちなみに富士急ハイランドのジェットコースターの「ド・ドドンパ」は3.75Gとのことです。ライバルであるスペースXは、既存のカプセル型であるドラゴン宇宙船を運用していますが、加速度は3.5Gもかかり、海に着水するため回収も一苦労です。一方で、なんとドリームチェイサーにかかる加速度はたったの1.5G。これなら、壊れやすい物資なども安全に持ち帰ることができますし、ジェットコースターが怖い人でも乗れそうです。さらに、滑走路に着陸するためすぐに持ち帰った物資を取り出せます、これらの特徴は宇宙船にはない大きなメリットです。
ドリームチェイサーの初飛行が楽しみですね。
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