【横山塾】「どうせ仕事するなら楽しんでやろう」という残酷な言い分
■心掛けだけで仕事を「楽しむ」ことはできない
「どうせ仕事するなら楽しんでやろう」
ある営業部長が、そのように部下たちに言っているのを耳にした。コンサルタントである私は、部長のその言い分に異を唱える資格はない。しかし心の中では、
「そんなこと言っても、どうしようもないのに」
と思っていた。
先日、ある研修講師も講義中、このように言っていた。
「自分らしく仕事を楽しむことが一番です。皆さん、仕事を楽しんでますか?」
当然、受講生の会社員たちは苦笑するしかない。楽しんで仕事をしていないから、この研修に来たのだから。
「それじゃあ、どのように仕事を楽しむのか。私が解説していきましょう」
と、切り出すのはうまい手だ。「仕事を楽しもう」は「結果を出せ」と同じ無謀な要求である。私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントだ。結果を出すには、いろいろな複合的な要素が絡んでくる。相当な努力と試行錯誤、そしてそれなりの時間をかけて、はじめて継続的に結果を出せるようになるものだ。
それは「仕事を楽しむ」ということも同じ。
「どうせやるなら楽しんで仕事をしよう、な!」
と上司から言われたら、その場は「わかりました」と元気よく答えられるだろう。勇気づけられ、なんだか気持ちが軽くなるかもしれない。前出の研修講師も、その場の研修では受講生を楽しませることはできるだろう。しかしいざ目の前の仕事に向き合ったとき、その感覚がはたして続くだろうか。1年も2年も、そのような「楽しい」という感覚を持ち続けることができるのか。
実際に、仕事が楽しいと感じることは、いろいろな局面である。しかし、そもそも「楽しさ」とは何か? そして仕事において「楽しい」とずっと感じられるようになるには、どうすればいいのか?
心掛けだけでは、絶対になんともならない。今回はこの難題に対し、「絶対達成」のコンサルタントの私が挑む。ぜひ最後まで読んでいただきたい。
今回の記事で、以下のようなことが理解できるだろう。
●「仕事を楽しもう」は「結果を出せ」と同じ無謀な要求
●「楽しい」かどうかは結果論。「状態」であり「あり方」
●人が抱く感覚を正しく理解する
●どんな感覚を抱くかは「思考プログラム」が決めている
●仕事の楽しさはどこから来るのか? 舞台俳優か、舞台の裏方か、舞台を見に来る鑑賞者か
●「楽(らく)なやり方」で「楽しいあり方」が手に入るか?
●「楽しくない仕事」の反対が「楽しい仕事」ではない
●「クリエイティビティ」と「セレンディピティ」の総和が「楽しさ」のスコア
●「クリエイティビティ」と脳の学習効果
●「セレンディピティ」と発見思考
■「楽しい」かどうかは結果論
「楽しい」という感情を抱くことは「状態」であり「あり方」だ。つまり「プロセス」ではなく「やり方」でもない。
「嬉しい」「気持ちいい」「満足」といった表現と同じである。したがって、「楽しい」状態になれと言われても、普通はどうしていいかわからないはずなのである。にもかかわらず、言うほうも、言われるほうも、あまり違和感を覚えない。
ところが、
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