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【億ションのお宅拝見】NY高級住宅地グラマシーパークの9億円超!新築コンドの中身

安部かすみニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者
(c) Kasumi Abe

素敵なコンドが完成したとの一報があり、筆者がこのたび内覧で訪れたのはニューヨーク・マンハッタン区ダウンタウンの閑静な高級住宅地、グラマシーパーク地区。

その一角に、昨年完成した高級コンドミニアム(分譲用の集合住宅)、250 EAST 21ST STREETがある。

Gramercy Park

赤いエリアがグラマシーパーク地区。(筆者がGoogleマップから作成)
赤いエリアがグラマシーパーク地区。(筆者がGoogleマップから作成)

マンハッタンの中心地、タイムズスクエアから地下鉄で10分ほどの距離で、人の往来が激しいミッドタウンとは異なり、どことなくヨーロピアンな雰囲気が漂う落ち着いた住宅街だ。

「徒歩圏内に交通の要衝であるユニオンスクエア駅があり、ABCキッチン、グラマシータバーン、アップランドなど市内有数の人気レストランも点在するエリアなんです」。そのように太鼓判を押すのは、米大手不動産会社、ダグラス・エリマンのエクルンド・ゴメス・チーム(Eklund Gomes Team at Douglas Elliman)公認不動産ブローカー、エリス・バークマンさん。

「市民の憩いの場所、ユニオンスクエアパークやグラマシーパークなど公園も充実し、生活にとても便利です」

ユニオンスクエアパーク。敷地内には農家直送のファーマーズマーケットも出店する。(c) Kasumi Abe
ユニオンスクエアパーク。敷地内には農家直送のファーマーズマーケットも出店する。(c) Kasumi Abe

ここから徒歩数分の場所にある完成したばかりのコンド、250 EAST 21ST STREETを訪れた。

13階建てで54戸を擁する250 EAST 21ST STREET。(c) Kasumi Abe
13階建てで54戸を擁する250 EAST 21ST STREET。(c) Kasumi Abe

近隣のヨーロピアンな雰囲気に同化するような外観は、屋根面が2段で天井高のフランス風「マンサード屋根」、装飾が手すりに施された「ジュリエットバルコニー」など、当地では珍しいヨーロッパ風のデザインが各所に採用され、最先端の中に歴史や伝統が織り込まれている。建築界で名を馳せる、当地のIssac & Stern Architectsが手がけたもの。

1階のロビーに到着。ここでドアマンが出迎えてくれる。

(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe

エレベーターで、10階にある4ベッドルームの「10B」へ。

ドアを開けるとフォイヤー(ゲストを迎えるためのスペース)が広がり、住居とは思えないほど長い廊下が奥へ奥へと繋がっている。

壁には、装飾としてヨーロッパ風のモールディングが施されている。このようにお気に入りの絵画を飾ればデッドスペースにならず、ゲストのウェルカムスペースとして活かせる。

(c) Kasumi Abe
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帰ってきたら、コンソールテーブルに鍵を置く。室内のインテリアデザインはすべて、ハイセンスな技法で知られるParis Forinoによるもの。

(c) Kasumi Abe
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フォイヤーの奥、長い廊下を突き抜けると奥にはグレートルームが広がる。グレートルームとは、リビング、キッチン、ダイニングがひと続きになった開放感あるスペースのこと。

ゆったりと座れる8人用ダイニングテーブルと5人用カウンター付きアイランドキッチンを配しても、このようにまだ余りある広さ。アメリカではホームパーティーが文化の一部。このくらい広さに余裕があれば相当な数のゲストを招くことができる。

(c) Kasumi Abe
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(c) Kasumi Abe
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さらにその奥は、リビングスペースになっている。天井まである高さ10フィート(約3メートル)の大きな窓から、自然光が室内に柔らかく差し込む。

(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe

屋外スペースにはテラスがある。

このテラスは隣の2つのベッドルームとも繋がっていて、短距離走ができるくらい長くて広い。子ども用簡易プールやバーベキューグリルも十分に置くことができる。

天気が良い日はテラスで席で食事をすると、さらに食欲が増しそう。

(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe

日が暮れたら、ここから星空を眺めながらワインやウイスキーを嗜むのも一興。

次にプライマリーベッドルーム。このようにUS版のキングサイズを置いても十分な広さ。朝は目覚めてすぐにテラスに出て外の空気やお日様の光を体全体で浴びれば、活力ある1日のスタートを切れるだろう。

(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe

バスルームは住民用とゲスト用とに分かれ、全部で3.5箇所が各部屋に配置されている。洗面台は2人が同時に使える大きさなので、忙しい朝も混雑せずゆっくり使うことができる。

(c) Kasumi Abe
(c) Kasumi Abe

室内を案内してくれた不動産ブローカーのバークマンさん。(c) Kasumi Abe
室内を案内してくれた不動産ブローカーのバークマンさん。(c) Kasumi Abe

全米の中で不動産価格が格段に高いニューヨーク。今年の住宅価格は昨年に比べると下落傾向にあると報道されているが、インフレを抑えるための大幅な利上げを背景に、住宅ローンの金利は上昇している。

そんな中でも、250 EAST 21ST STREETのような高級物件には買い手がつき、バークマンさんによるとすでに90%が契約済みだという。

内見した10Bの購入価格は日本円で約9億2000万円ほどになるが、低層階やスペースがより限られた部屋は、少し価格が落ちる。それでも、399万5000ドル(約5億2500万円)からということだ。

「10B」のフロアプラン

フロアプラン。ダグラス・エリマン提供(筆者が一部加工)。
フロアプラン。ダグラス・エリマン提供(筆者が一部加工)。

250 EAST 21ST STREET「10B」

価格:699万5000ドル(現在の為替で約9億2000万円)

4ベッドルーム、3.5バスルーム、グレートルーム、キッチン

室内面積:2,468平方フィート(約229平方メートル)

テラス面積:316平方フィート(約29平方メートル)

(Text and photos by Kasumi Abe)無断転載禁止

ニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者

米国務省外国記者組織所属のジャーナリスト。雑誌、ラジオ、テレビ、オンラインメディアを通し、米最新事情やトレンドを「現地発」で届けている。日本の出版社で雑誌編集者、有名アーティストのインタビュアー、ガイドブック編集長を経て、2002年活動拠点をN.Y.に移す。N.Y.の出版社でシニアエディターとして街ネタ、トレンド、環境・社会問題を取材。日米で計13年半の正社員編集者・記者経験を経て、2014年アメリカで独立。著書「NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ」イカロス出版。福岡県生まれ

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