カーディナルスは362本塁打の一塁手との再契約を見送り、341本塁打の三塁手はトレードで放出!?
今シーズン、セントルイス・カーディナルスは、内野の両コーナーに、通算300本塁打以上のスラッガーを擁していた。開幕時点の本数は、一塁手のポール・ゴールドシュミットが340本塁打、三塁手のノーラン・アレナードは325本塁打。現在は、362本塁打と341本塁打だ。
2人とも、来シーズンは、カーディナルスにはいないかもしれない。ゴールドシュミットは、5年1億3000万ドル(2020~24年)の契約――2018年12月にトレードでアリゾナ・ダイヤモンドバックスから移籍し、翌年3月に契約を延長――が満了し、FAになった。カーディナルスは、ゴールドシュミットと再契約を交わすつもりはないようだ。ESPNのジェシー・ロジャースは、捕手のウィルソン・コントレラスが一塁に移る、と報じている。
コントレラスは、2022年までシカゴ・カブスにいた。そのオフのFA市場に出て、ヤディアー・モリーナの後継者として、カーディナルスに迎えられた。契約は、5年8750万ドル(2023~27年)だ。モリーナは、2004年から2022年までカーディナルス一筋にプレーし、ゴールドグラブを9度受賞した。
2025年にマスクをかぶるのは、イバン・へレーラとペドロ・パーヘスだと思われる。
一方、ゴールドシュミットと違い、アレナードの契約は、あと3年7400万ドルが残っている。2021年2月に、トレードでコロラド・ロッキーズから移籍した際、8年2億6000万ドル(2019~26年)の契約に、2027年の1500万ドルがつけ加えられた。2025~27年の各年俸は、3200万ドル、2700万ドル、1500万ドルなので、合計7400万ドルだ。
ただ、セントルイス・ポスト-ディスパッチのデリック・グールドによると、カーディナルスは、アレナードを欲しがる球団があるかどうか、探ってみるという。アレナードの契約は、残額の大きさに加え、全球団に対するトレード拒否権がついているので、実現は容易ではないが、放出の可能性があるということだ。
来年4月、アレナードは、34歳の誕生日を迎える。ゴールドシュミットより3歳下だが、ゴールドシュミットと同様に、ここ2シーズンのホームランは減少している。短縮シーズンの2020年を挟み、2015~19年と2021~22年の7シーズンとも30本塁打以上を記録したのに対し、2023年と2024年は26本塁打と16本塁打だ。
三塁の守備も、かつてのようなエリート・クラスではなくなっている。ゴールドグラブと名手はイコールではないものの、メジャーリーグ1年目の2013年から続いていた受賞は、2023年に途切れ、2024年も選ばれなかった。
アレナードのトレードが成立した場合、既存のメンバーを三塁に据えるなら、その候補は、2025年に23歳(6月30日時点)の2人、ジョーダン・ウォーカーとトーマス・サージェイシーではないだろうか。彼らは、2020年のドラフトで指名され、プロ入りしたことも共通する。順位は、1巡目・全体21位と5巡目・全体145位だ。ウォーカーは三塁手だったが、アレナードがいるため、2022年の夏に外野手へ転向した。サージェイシーは、昨夏のトレードで、テキサス・レンジャーズからカーディナルスへ移籍した。
カーディナルスは、転換期を迎えている、あるいはその真っ只中にいるように見える。2019年から2022年まで、4年続けてポストシーズンに進出した後、モリーナがいなくなってからのここ2年は、ポストシーズンにたどり着けずにいる。