三塁打を打った翌々日に解雇される。昨年3度目のオールスター選出
7月12日、フィラデルフィア・フィリーズは、ウィット・メリフィールドを解雇し、AAAからウェストン・ウィルソンを再昇格させた。
前々日の試合に、メリフィールドは、「8番・レフト」として出場した。最初の打席で打点を挙げ、2打席目は三塁打を打った。だが、1打席目は、1死二、三塁からの内野ゴロ。今シーズン3本目の三塁打も、センターのアンディ・パヘズ(ロサンゼルス・ドジャース)が打球を見失わなければ、外野フライになっていただろう。
メリフィールドは、内外野を守る、35歳のベテランだ。オールスター・ゲーム選出は、2019年、2021年、2023年の3度。盗塁王も、3度獲得している。こちらは、2017~18年と2021年だ。20本塁打以上のシーズンはないが、40二塁打以上は3度(2018~19年と2021年)を数え、この3シーズンは180安打以上を記録した。
昨オフ、トロント・ブルージェイズからFAになったメリフィールドは、今年2月にフィリーズと1年800万ドルの契約を交わした。ブルージェイズ退団については、こちらで書いた。
◆「円満退社ならぬ円満退団!? 選手と球団の双方が「年俸1800万ドルの相互オプション」を揃って破棄する」
今シーズンは、53試合で打率.199と出塁率.277、3本塁打と11盗塁、OPS.572だ。盗塁は二桁に達し、盗塁死は1度しかないが、打率、出塁率、OPSは、いずれも、これまでのシーズン・ワーストを下回っている。
とはいえ、ここから、メリフィールドを迎え入れる球団は、あってもおかしくない。メリフィールドは、二塁を中心に、遊撃以外の内野3ポジションと外野を守ることができる。また、メリフィールドに支払う金額は、規定のミニマム・サラリーである74万ドルの日割り分で済む。
メリフィールドの解雇に伴って昇格したウィルソンも、内外野を守る。こちらのレパートリーには、遊撃も含まれている。すでに29歳ながら、メジャーリーグでプレーしたのは、昨シーズン終盤の8試合と今年6月の2試合だけ。今シーズンは、AAAの71試合で打率.240と出塁率.340、18本塁打と14盗塁、OPS.826を記録している。