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三塁打を打った翌々日に解雇される。昨年3度目のオールスター選出

宇根夏樹ベースボール・ライター
ウィット・メリフィールド Jul 7, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月12日、フィラデルフィア・フィリーズは、ウィット・メリフィールドを解雇し、AAAからウェストン・ウィルソンを再昇格させた。

 前々日の試合に、メリフィールドは、「8番・レフト」として出場した。最初の打席で打点を挙げ、2打席目は三塁打を打った。だが、1打席目は、1死二、三塁からの内野ゴロ。今シーズン3本目の三塁打も、センターのアンディ・パヘズ(ロサンゼルス・ドジャース)が打球を見失わなければ、外野フライになっていただろう。

 メリフィールドは、内外野を守る、35歳のベテランだ。オールスター・ゲーム選出は、2019年、2021年、2023年の3度。盗塁王も、3度獲得している。こちらは、2017~18年と2021年だ。20本塁打以上のシーズンはないが、40二塁打以上は3度(2018~19年と2021年)を数え、この3シーズンは180安打以上を記録した。

 昨オフ、トロント・ブルージェイズからFAになったメリフィールドは、今年2月にフィリーズと1年800万ドルの契約を交わした。ブルージェイズ退団については、こちらで書いた。

「円満退社ならぬ円満退団!? 選手と球団の双方が「年俸1800万ドルの相互オプション」を揃って破棄する」

 今シーズンは、53試合で打率.199と出塁率.277、3本塁打と11盗塁、OPS.572だ。盗塁は二桁に達し、盗塁死は1度しかないが、打率、出塁率、OPSは、いずれも、これまでのシーズン・ワーストを下回っている。

 とはいえ、ここから、メリフィールドを迎え入れる球団は、あってもおかしくない。メリフィールドは、二塁を中心に、遊撃以外の内野3ポジションと外野を守ることができる。また、メリフィールドに支払う金額は、規定のミニマム・サラリーである74万ドルの日割り分で済む。

 メリフィールドの解雇に伴って昇格したウィルソンも、内外野を守る。こちらのレパートリーには、遊撃も含まれている。すでに29歳ながら、メジャーリーグでプレーしたのは、昨シーズン終盤の8試合と今年6月の2試合だけ。今シーズンは、AAAの71試合で打率.240と出塁率.340、18本塁打と14盗塁、OPS.826を記録している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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