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大雪はJPCZ型(日本海寒帯気団収束帯型)から山雪型へ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

JPCZ型で、若狭湾周辺で顕著な大雪に

12時間の解析降雪量(ウェザーマップ)
12時間の解析降雪量(ウェザーマップ)

この冬一番の強烈な寒波が襲来した影響で、タイトル画像にある通り、日本海で北風と西風が収束する日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)が顕在化し、この活発な雪雲が流れ込んだ若狭湾周辺で短時間に積雪が急増しました。(関連記事

以下は、きょう24日(水)に、気象庁から発表された顕著な大雪に関する気象情報です。福井県では4回、滋賀県では2回発表されています。(午後4時まで)

●福井県

午前3時までの6時間に、勝山市滝波町36センチ、越前市粟田部町26センチ

午前6時までの6時間に、敦賀30センチ

午前10時までの6時間に、美浜町新庄30センチ

正午までの6時間に、高浜町山中30センチ

●滋賀県

午前6時までの6時間に、長浜市余呉町柳ヶ瀬37センチ

午後1時までの6時間に、米原市朝日40センチ

6時間の降雪量では、岐阜県関ケ原49センチ、滋賀県米原40センチ、福井県敦賀32センチなどで、観測史上1位の値を更新しました。短時間に大雪となっている所では、引き続き、車の大規模な立ち往生など、交通障害に警戒が必要です。

強烈寒波は北日本から東海上へ

上空5500メートル付近の寒気予想(ウェザーマップ)
上空5500メートル付近の寒気予想(ウェザーマップ)

今回流れ込んでいるこの冬一番の強烈寒波は、きょう24日(水)夜にかけてがピークとみられます。上図の上空5500メートル付近の寒気の予想では、-39度以下の寒気の塊が、今夜にかけて、北日本をゆっくり進んだ後、あす25日(木)朝には、弱まりながら、北日本の東海上へ抜ける見通しです。このため、顕著な大雪をもたらしたJPCZは弱まりますが、今度は、山沿いで降雪が増える山雪型へのステージ変化となりそうです。

JPCZは弱まり、山雪型へ

天気図の変化(ウェザーマップ)
天気図の変化(ウェザーマップ)

きょう24日(水)午前9時の実況天気図では、日本付近で等圧線がびっしりと並んでいる強い冬型の気圧配置ですが、日本海には等圧線が膨らんでいる所があり、これがJPCZに相当しています。あす25日(木)午前9時の予想天気図でも同じようにびっしりと等圧線が込み合っていますが、日本海の等圧線の膨らみはなくなり、こうなるとJPCZは解消され、今度は強い季節風がぶつかる山沿いで降雪量が増えるパターンへと移行します。

また北日本では特に等圧線の間隔が狭く、雪を伴って、猛烈な吹雪となる所も多いでしょう。最大瞬間風速は30メートルから35メートルと予想されていて、見通しのきかないホワイトアウト状態となることも予想されていて、警戒を要します。

JPCZは弱まり、山雪型へ

48時間予想降雪量(ウェザーマップ)
48時間予想降雪量(ウェザーマップ)

コンピュータが予想しているきょう24日(水)午後6時からの48時間予想降雪量では、まだ今夜にかけて、JPCZの影響が残る近畿北部や山陰地方で、短時間の降雪に注意が必要ですが、その後は、北陸の山沿いで降雪量が増える予想となっています。

最も多い予想降雪量となっているのは、新潟県の魚沼地方を中心に、新潟県、福島県、山形県の山沿いで、100センチから150センチ程度の降雪量が予想されていて、北海道の小樽周辺でも、局地的に100センチ程度の計算となっています。今後は山沿いが中心の大雪へ移行しますが、山沿いとはいえ、短時間で積雪が急増すれば、交通障害が発生する可能性が高まりますので、引き続き、あす25日(木)にかけても、十分な警戒が必要です。

気象庁発表の大雪などに関する地方情報(北海道東北関東甲信北陸東海近畿中国四国九州北部九州南部

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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