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【北京パラリンピック】強豪ロシアが再び始動!NHL選手が飛び入り参加のオーストラリアは本気度MAX!

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
ソチパラリンピックで銀メダルに輝いたロシア(Photo:Jiro Kato)

 2013年の「世界選手権」で銅メダルを手にしたのに続いて、翌年の「ソチ パラリンピック」では銀メダルと、強豪の一角に数えられる存在となったパラアイスホッケー(旧アイススレッジホッケー)ロシア代表

 ところが、ドーピング違反により「平昌(ピョンチャン)パラリンピック」に出場できず、2大会連続のメダル獲得は夢とついえてしまいました…。

 しかしロシアは、4年後の北京パラリンピック出場を目指し、再び始動します。

▼ロシアでパラアイスホッケーのカップ戦

 ロシアホッケー協会は、今月22日から24日まで、パラアイスホッケーのカップ戦を開催。

 カップ戦は「ホッケーは一つ」というスローガンを掲げて、アイスホッケーとパラアイスホッケーの試合を行います(予定)

 同協会のウラディスラフ・トレチャク会長(66歳・元ソ連オリンピックチームGK/下のツイッター写真)が、近隣諸国も含めたメディアやファンに精力的なアピールを続けているそうで、ロシアはもちろん、ヨーロッパ各国からの注目が集まりそうです。

▼オーストラリアでパラアイスホッケー!

 一方、南半球に視線を移すと、オーストラリアでパラアイスホッケーが本格的にスタート!

 「アイスルーズ(=氷上のカンガルーたち)」との愛称を名乗ったオーストラリア代表メンバーが発表されました。

▼NHL選手も練習に参加!

 記念すべき最初のオーストラリア代表の練習には、史上初めてオーストラリア出身のNHLプレーヤーとなったネイサン・ウォーカー(ワシントン キャピタルズFW・24歳)も飛び入り参加!(下の写真一番左)

 とはいえ、NHLプレーヤーが誕生した国ではあるものの、南半球のオーストラリアでは、アイスホッケーのトップチームが集まるリーグ戦でさえ、決して環境に恵まれているとは言えません。

 ウォーカーも、チェコや北米のマイナーリーグでアピールを続けて、ようやく昨季にNHLデビューを飾ったのです。

▼元イギリス代表選手を監督に招く

 このような現状から、オーストラリア パラリンピック委員会は、21選手分の用具を購入。

 加えてオーストラリア アイスホッケー協会と共同で、財団からの提供を受けるなどして、活動資金を集めたそうです。

 これだけにとどまらず、オーストラリア代表は現役時代にイギリス(パラアイスホッケー)代表チームでプレーし、2013年の世界選手権の際に来日した経歴を持つ、ゲーリー・ファーマーをヘッドコーチ(監督)に招きました。

▼観衆13000人!

 レベルアップに注力するニュースが報じられ期待度がアップしたのか、シドニーで行われたパラアイスホッケーのデモンストレーションゲームなどのイベントに駆けつけたファンは「13000人!」

 

13000人の観客から大声援を浴びたオーストラリア代表(Courtesy:@AUSParalympics)
13000人の観客から大声援を浴びたオーストラリア代表(Courtesy:@AUSParalympics)

 予想をはるかに上回る声援を受けたオーストラリア代表のエンマ・ポイントン アシスタントコーチは、年末に予定されている「世界選手権Cプール(3部に相当)」での健闘をファンへ約束。

 大きな期待を肌で感じた選手たちは、これから世界選手権へ向けて”本気度MAX”で、練習に励み続けていくでしょう。

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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