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【シャープペン】「マツコの知らない世界」でも話題!1回ノックだけでずっと書き続けられるオレンズAT

舘神龍彦デジアナリスト・手帳評論家・歌手
orenz AT

 筆記具にとってなにも考えずにずっと書き続けられるのは1つの理想です。
 例えば、毛筆は基本的には硯に墨を用意して書きます。
 ところが万年筆ならば、ボディ内部にインクがあります。それがなくなるまで書けます。ボールペンもまたしかり。

 そして、なにも考えずにずっと書き続けられる筆記具をシャープペンの世界で実現したのが「オレンズ」シリーズ(ぺんてる)です。

 こんにちは。デジアナリスト・手帳評論家・歌手の舘神龍彦(たてがみたつひこ)です。

 今回は、昨夜放送の「マツコの知らない世界」でも話題になった、1回ノックするだけで書き続けられるシャープペン「オレンズ」について。最新モデル「orenz AT」を例に紹介します。

1回ノックするだけでなぜ書き続けられるのか

 オレンズシリーズが初登場したのは、2014年。2017年にはフラッグシップモデルたる「orenz nero」が登場(番組内で紹介されたのはこれですね)。そして2023年にはその普及版とも言うべき「orenzAT」が発売になっています。

 このオレンズシリーズの特徴は、1回ノックしただけで書き続けられることです。

 それを実現しているのが、自動芯出し機構です。

ぺんてるの発表会(2023.3)でのスライド
ぺんてるの発表会(2023.3)でのスライド

 自動芯出し機構とは、文字通り、自動で芯を出す機構。

 シャープペンは書き続けると先端部から出ている芯がどんどん減っていきます。

 オレンズでは、特殊な機構を搭載することで、自動で芯を出していきます。そして、オレンズでは、自動芯出し機構を搭載。芯が減るのに合わせて先端のパイプがスライド。芯を自動的に出していきます。つまり、書いて減ったことをきっかけとしてパイプが動いて芯がでるというわけです。

最新モデルorenzAT

 このシリーズのフラッグシップモデルたる「orenz nero」が登場したときは、その高級感や所有欲をくすぐるデザインもあり、非常に話題になりました。

 そしてその反面、高価(税込み3300円)である事や、すぐに売り切れてしまい入手性が困難である事もありました。これは、ノックなしの芯繰り出し機構は金属パーツであることが原因でした。加工・製造に時間がかかったからです。

orenz ATのボディは、12角。多角形であることは鉛筆を踏襲しつつ、より進化したものとしての存在感を出している
orenz ATのボディは、12角。多角形であることは鉛筆を踏襲しつつ、より進化したものとしての存在感を出している

 そして2023年に登場したorenzATは、この点を改善。具体的には、自動の芯出しを可能にするボールチャックの機構を樹脂性にしました。そのことで、量産性を高め、また価格を抑えることに成功しているのです。今回の「orenzAT」の価格は、税込み2200円。フラッグシップモデルの2/3の価格です。

ノック部。ノック1回で書き続けられることを表現する意図もあり、あまり長くない
ノック部。ノック1回で書き続けられることを表現する意図もあり、あまり長くない

グリップ部。同社の人気シャープペン「スマッシュ」の意匠を利用している
グリップ部。同社の人気シャープペン「スマッシュ」の意匠を利用している

シャープペンも進化している

 このように日常で普通に使われている文房具も、着実に進化しています。

 そして、シャープペンのメインターゲットたる中高生はもとより、ビジネスパーソンや、シャープペンで絵を描くようなアーティストにも利用、支持されているのです。

デジアナリスト・手帳評論家・歌手

デジアナリスト・手帳評論家・歌手。著書『手帳と日本人』(NHK出版新書)は日経新聞「あとがきのあと」登場ほか、大学受験の問題に2回出題。その他『凄いiPhone手帳術』(えい出版社)『システム手帳新入門!』(岩波書店)等著書多数。「マツコの知らない世界」(TBSテレビ)「HelloWorld」(J-WAVE)はじめテレビ・ラジオ出演多数。講演等も行う。手帳ユーザーを集めた「手帳オフ」を2007年から開催する等トレンドセッター的存在。自ら作詞作曲して手帳活用の基本をまとめた「手帳音頭」をYouTubeで公開中。新曲「一般男性」も発表し、新知財プロジェクトも発表。人呼んで言葉のイノベーター。

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