ノート(148) 提言「検察の再生に向けて」に対する思いと判決前夜の心境
~裁判編(22)
勾留195日目
ルーティーンの勾留更新
判決を約1週間後に控えたこの日は、裁判所による勾留更新の決定があり、決定書を確認した。勾留期限は判決前日の4月11日までだったので、1か月ほど更新するという。
更新の理由は、いつもどおり「罪証隠滅のおそれ」ということだったが、すでに裁判は検察・弁護双方が提出した証拠の取調べを終え、被告人質問も終え、論告・求刑も弁論も終えて結審に至っていた。
結審後、判決を待つだけの段階でなぜそれでも罪証隠滅のおそれありという話になるのか、どんな証拠をいかに隠滅するのか、自白事件ですらも機械のように勾留更新を続ける裁判所の姿勢は、不可思議極まりなかった。
とはいえ、これがわが国の刑事司法の実態だった。この決定に異議ありということで抗告を申し立てたとしても、こうした実務の運用は何も変わらない。もとより拘置所の外に出るつもりもなかったことから、そのまま決定を受け入れることとした。
「検察の再生に向けて」
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