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ノート(148) 提言「検察の再生に向けて」に対する思いと判決前夜の心境

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

~裁判編(22)

勾留195日目

ルーティーンの勾留更新

 判決を約1週間後に控えたこの日は、裁判所による勾留更新の決定があり、決定書を確認した。勾留期限は判決前日の4月11日までだったので、1か月ほど更新するという。

 更新の理由は、いつもどおり「罪証隠滅のおそれ」ということだったが、すでに裁判は検察・弁護双方が提出した証拠の取調べを終え、被告人質問も終え、論告・求刑も弁論も終えて結審に至っていた。

 結審後、判決を待つだけの段階でなぜそれでも罪証隠滅のおそれありという話になるのか、どんな証拠をいかに隠滅するのか、自白事件ですらも機械のように勾留更新を続ける裁判所の姿勢は、不可思議極まりなかった。

 とはいえ、これがわが国の刑事司法の実態だった。この決定に異議ありということで抗告を申し立てたとしても、こうした実務の運用は何も変わらない。もとより拘置所の外に出るつもりもなかったことから、そのまま決定を受け入れることとした。

「検察の再生に向けて」

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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