絶対に食べておかねばならない 千葉の家系ラーメン「最新」3軒
千葉は全国でも屈指の家系王国だ
今からちょうど50年前、1974(昭和49)年に横浜で創業した『吉村家』が発祥で、今や全国的に人気を集めている「家系(いえけい)ラーメン」。豚骨醤油スープに鶏油を浮かべ、短めの太麺を合わせ、具はチャーシュー、ホウレンソウ、海苔3枚というのが基本的な家系ラーメンのスタイル。麺の茹で加減やタレの濃さ、油の量などが自分好みに調整が出来、老若男女幅広い客層の支持を集めているラーメンだ。
「竹岡式ラーメン」や「勝浦タンタンメン」など、数多くのご当地ラーメンを擁する千葉県でも家系ラーメンは人気。しかも、本場横浜に勝るとも劣らないほどの家系実力店がひしめき合っているエリアとして、家系ラーメン好きの注目を集めているのが千葉県だ。今回は昨年オープンした新店ながら、早くも人気を集めている実力派の家系ラーメン店を厳選した。いずれも家系好きのみならずラーメン好きは必ず足を運んで欲しい店ばかりだ。
王道家の流れを汲む実力派『上総家』(2023年7月創業)
市原市の郊外、山倉ダムの近くに2023年7月にオープンしたのが『家系ラーメン 上総家』(千葉県市原市山田橋1-6-8)。店主は家系ラーメンの人気店『王道家』の流れを汲む『王道いしい』出身。千葉屈指の実力派家系ラーメンの系譜をしっかりと受け継いだ「嫡流」だ。
修業先よりもやや軽めながらもしっかりと乳化したベースに醤油が香るスープは、地域柄幅広い客層に受け入れられそうなバランス。しっかりと茹で切った麺は修業先同様に王道家の自家製麺を使う。無料サービスのご飯は卓上の無限ニンニクやマヨネーズでカスタマイズ。朝ラーメンもやっているので突如訪れる家系欲を満たすのに覚えていて損のない店だ。
万人に受け入れられるバランス型『かわみ家』(2023年12月開業)
市原市白金通り沿いに2023年12月オープンしたのが『横浜家系らーめん かわみ家』(千葉県市原市白金町1-58-2)。東京新中野に本店を構え、千葉にも多数店舗を展開している『武蔵家』の系列。店舗ごとに地域に根付いた店作りと味作りで、ラーメン好きにも一般客にも多くの支持を受けている家系ラーメン店だ。
丼を横断するチャーシューが印象に残るビジュアル。豚骨の優しい香りが立ち上がるスープは、醤油も強過ぎず濃度も高過ぎずのバランス型。比較的濃厚なスープを出す店が多い武蔵家系列の中では万人が食べやすいバランスに仕上がっている。家系御用達の酒井製麺製の麺は、細めのタイプでやや硬めの茹で上げ。武蔵家系列ならではの無料ライスとかっぱ漬で腹パン間違いなし。
家系を新たな解釈で表現する『野良裏家』(2023年12月開業)
2007年に開業した『武蔵家 西千葉店』を買取り、2019年にグループから独立を果たした行列店『裏武蔵家』(千葉県千葉市中央区春日2-19-9)が満を持して出店したのが『ラーメン 野良裏家(のらりや)』(千葉県千葉市中央区今井2-12-1)。2023年12月のオープンから連日行列を作り続けて、早くも人気店の仲間入りを果たしている。
修業先の『武蔵家』とも『裏武蔵家』とも異なる、家系の再構築とも言えるような新たな家系の表現。一つ一つの素材を見直して厳選し、特に旨味と香りを重視した構成で、醤油ダレもスープベースもより複雑で深みを増している。『裏武蔵家』伝家の宝刀である「黄金鶏油」も健在。燻製チャーシューに地元千葉産の青混ぜ海苔の香りも相まって、めくるめく様々な香りの競演を満喫出来る。
今回ご紹介した3軒は、いずれも新店ながら千葉の家系ラーメンを語る上で欠かすことの出来ない実力店ばかり。他にも千葉には人気と実力を兼ね備えた家系ラーメン店が数多く存在するので、是非とも千葉で家系ラーメン巡りを楽しんで頂きたい。
※写真は筆者によるものです。
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