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ネトとオホッピーは、エンジェルスの遊撃手と捕手によるシーズン本塁打記録を塗り替えるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
左から、L.オホッピー、G.サンチェス、Z.ネト Jun 17, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月10日、ザック・ネト(ロサンゼルス・エンジェルス)は、シーズン17本目のホームランを打った。

 ネトは、23歳の遊撃手だ。これまで、エンジェルスで1シーズンに20本以上のホームランを打った遊撃手は、ジム・フレゴシしかいない。1970年に、遊撃手として150試合、一塁手として6試合、代打として2試合に出場し、22本塁打を記録した。遊撃出場時に20本と、一塁出場時に2本だ。代打出場時のホームランはなかった。

 ここまで、ネトは、すべてのホームランを遊撃手として打っている。エンジェルスで遊撃手としてのシーズン最多本塁打(20本)まであと3本、エンジェルスで主に遊撃を守った選手のシーズン最多本塁打(22本)まではあと5本だ。

 他のポジションは守っておらず、DHと代打も皆無。遊撃出場の他には、代走が1度あるだけだ。この時は、代走の後、遊撃の守備についた。

 各月のホームランは、4月が2本、5月が4本、6月が5本、7月は2本。今月のホームランは、すでに4本を数える。フレゴシの記録に並ぶだけでなく、上回る可能性も大いにありそうだ。

 また、ネトのチームメイトである、24歳の捕手、ローガン・オホッピーは、今シーズン、16本のホームランを打っている。ネトと違い、DHと代打としても打席に立っているが、ホームランはすべて捕手出場時だ。こちらの記録は、1990年にランス・パリッシュが打ち立てた。捕手として22本塁打と、そこに一塁出場時の2本塁打を含めた計24本塁打だ。

 2010年のマイク・ナポリは、捕手として12本塁打と一塁手として14本塁打だ。ほぼ半々の出場ながら、試合数と守備イニングは、どちらも一塁手のほうが多かった。

 ネトほど近づいてはいないものの、オホッピーも、記録更新はあり得る。各月のホームランは、2本、5本、5本、3本と推移してきて、今月は1日に1本打っている。

 なお、ネトとオホッピーは、今シーズンのチーム本塁打王になるかもしれない。8月10日を終え、15本塁打以上はエンジェルスに4人。ネトとジョー・アデルが17本塁打、オホッピーとテイラー・ウォードは16本塁打を記録している。それについては、前日にこちらで書いた。アデルとウォードは、外野手だ。

「エンジェルスでトラウトと大谷以外が「チーム本塁打王」は何年ぶり!? 現在はアデルが3人を1本リード」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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