賛否両論の環境政策/荷台付き電動自転車を購入するとオスロ市が13万円贈呈!
オスロ市議会行政部が公約に掲げたオスロ中心地のカーフリー計画実現まで、あと2年半ほどしか時間がない。パリ協定に従い、首都の大気汚染問題を解決するために、オスロ市は次々と斬新な環境政策を打ち出している。
30日に発表された政策は、荷台付きの電動自「転」車を購入する市民に、市が1人に対し購入額の25%、最高13万6900円(1万ノルウェークローネ)を補助するというものだった。申し込みは2月から始まり、市は合計約4100万円(300万ノルウェークローネ)を出資予定。昨年は、荷台付きかは関係なく、電動自転車の購入予定者全体が幅広くサポート対象となった。
「電気自動車」先進国として知られているノルウェーだが、その成功の鍵は数々の優遇政策にある。そのため、電動自転車にも同じような優遇政策がとられる流れは、不思議ではないのだが、国内での懐疑的な声は大きい。一部から嫌がられる理由は、中心人物が、「緑の環境党」という若い政党だからかもしれない。
「もともと高価なものなのだから、購入者となる富裕層に国民の税金をばらまく必要はない。貧しい家庭には買うお金はなく、不公平だ」というような指摘がある。だが、それは電気自動車でも同じことがいえただろう。
オスロ市環境・交通通信局長のベルグ氏(同党)は、「電動自転車は、車の代用品となり、新たな市場を作り出す」として、強く推奨。
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電動アシストで、荷物の運搬を軽減し、業務用としても役立つほか、小さな子どもの送迎にも便利だとされている。
北欧隣国のコペンハーゲンなどの都市では、荷台付きの自転車は広く利用されているが、オスロ市ではほとんど見かけない。だが、地理的には坂も多いため、電動アシストカーゴバイクはオスロには向いているはずとされる。
車よりも、自転車を選ぶ市民が増えるように、市の模索は続く。
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Photo&Text: Asaki Abumi