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ペップとシメオネ。シティの「5エリアの攻略」とアトレティコの「5バック」の衝突。

森田泰史スポーツライター
選手に指示を送るペップ・グアルディオラ監督(写真:ロイター/アフロ)

今季のチャンピオンズリーグ準々決勝で、最も注目されているカードかもしれない。

マンチェスター・シティとアトレティコ・マドリー。ペップ・グアルディオラ監督とディエゴ・シメオネ監督が率いる2チームの対戦は、多くの意味合いでフットボールファンの興味を引き付けている。

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■今季のアトレティコの戦いぶり

アトレティコの積極的な補強は、成功すると思われていた。

アトレティコは今夏、ロドリゴ・デ・パウル、マテウス・クーニャ、アントワーヌ・グリーズマンらを獲得。各ポジションに2選手を揃える陣容で、ディエゴ・シメオネ監督は新たなシーズンを迎えた。

昨季、リーガエスパニョーラを制したチームだ。【3−1−4−2】のシステムで、コケをアンカーに、インサイドハーフにマルコス・ジョレンテを据えるなど、シメオネ監督のスタイルにも変化が訪れていた。

アトレティコのシメオネ監督
アトレティコのシメオネ監督写真:ムツ・カワモリ/アフロ

だが今季のアトレティコは「どっちつかず」になっていた。【4−4−2】と【3−1−4−2】の2つのシステムの狭間で、シメオネ監督は揺れていた。

決戦となったチャンピオンズリーグ決勝トーナメント一回戦ファーストレグ、マンチェスター ・ユナイテッド戦で、指揮官は腹を括った。【4−4−2】のシステム。それだけではなく、ルイス・スアレス、デ・パウル、トマ・レマル、グリーズマンといった選手をベンチスタートにした。

左サイドには、ヘイニウド・モンドバとレナン・ロディが並んだ。ドブレ・ラテラル(ダブルサイドバック)である。

(アトレティコのダブルサイドバック)

シメオネ監督の目的は、対戦相手を「引っ張る」ことだった。ロディとジョレンテが高い位置を取り、攻撃時にはアンヘル・コレアやジョアン・フェリックスが前線で走った。

ただ、欲を言えば、【3−5−2】の形を可変で採りたかった。

ヘイニウド、ホセ・ヒメネス、ステファン・サビッチで3バックを形成して、シメ・ヴルサリコを上げ、ジョレンテをトップ下に移動させる。

試合中にこれができれば、ユナイテッドをより慌てさせられただろう。ユナイテッドの左SB(ショー)は攻撃型で、そこにジョレンテとヴルサリコがポジションを変えながらスペースを突いていったら、かなり対応は後手になっていたはずである。

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スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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