【悲劇】AI時代に会議ばかりやっている会社の末路
■なぜAI時代の会議は、職場の雰囲気と業績を悪化させるのか?
AIが一瞬で仕事を終える時代になってきた。にもかかわらず。人間はまだまだ会議で時間を浪費している。これこそが、現代の悲劇だ。
とくに、進捗管理や問題解決のために集まる会議は、どこまで必要なのだろうか?
それを続ける会社は、ほぼ間違いなく衰退の道を歩むだろう。
今回は、なぜAI時代に会議ばかりやっていると、ドンドン職場の雰囲気が悪くなっていくか、業績が悪くなっていくか、を徹底解説する。
最後まで読むことで、AI時代における会議の「負の側面」が増える理由がハッキリと見えてくるはずだ。特に組織マネジャーには、ぜひ最後まで読んでいただきたい。
■「進捗管理」に会議は必要なのか?
「何のために1時間半も議論をしているのか、まったくわからない」
そう嘆いたのは、入社2年目の営業だ。
「AI機能を使えば、議論する必要などない」
と彼は断言する。
この会社の営業会議では、SFA(営業支援システム)が導入され、営業個人個人の活動は可視化されている。
にもかかわらず、1週間に1回は営業会議でSFAのダッシュボードを会議室のスクリーンに映しながら、結果を出すために、どのお客様に、どんな商品を、いくらで提案して、どれぐらいの確度で決まりそうなのかを一人一人にヒアリングしている。
SFAに搭載されたAI機能を使えば、過去の活動履歴からAIが解析し、売上予測ぐらいできるのにもかかわらずだ。
「わざわざ口頭で報告させるのなら、システムに活動状況を入力する時間がもったいない」
と嘆く営業も増えている。
■なぜ会議が増えると業績が悪くなるのか?
業績が悪い会社ほど、会議が多い。そして長い。
よく耳にする話だ。もちろん因果関係はないが、17年以上コンサルタントをしてきた経験からすると、あながち間違いではないと言える。
たとえば営業会議で考えたら、以下の図のとおり、会議で決まったことを活かして営業活動をするのが基本だ。
しかし業績が悪くなると、会議の量が増えるのである。以下の図を見てほしい。
「どこで何をしてるんだ?」
「本当にそれで数字ができるのか?」
等と、一人一人の営業に対する追求が増えるからだ。当然、こんなことをしていたら、営業の「可処分営業時間」が減っていく。
営業の「可処分営業時間」が減れば、当然業績が上がることはない。お客様に関心を向けない営業が、成績を伸ばすことなどない。
以下の図を見てほしい。会議が増えれば、会議のためのプレ会議や、資料作成、メール処理も自然と増える。どんどん「可処分営業時間」が減ることになる。
しかしAI時代になったら、どの営業が、どのお客様の誰に、どんなタイミングで、どのような金額の商材を提案したらいいのか。もっともらしく、教えてくれるだろう。
もちろんそれはあくまでも「もっともらしい仮説」である。しかしこの仮説を一瞬で出してくれるだけで、仮説検証サイクルを高速に回すことができるだろう。
■AIによるマネジメントの役割
以下の図を見てほしい。その仮説は、AI単独でできるのだ。AI機能をフル活用できるマネジャーが一人いるだけでいい。
AI時代に重要なことは、現場力である。お客様とオフラインもしくはオンラインで対面し、接することだ。
以下の図を見てほしい。
情緒的な側面がとても重要な時代なので、いつ、何を、どうすべきか? を人間の頭で考えず、現場へ数多く回ることが重要なのだ。とくにベテラン社員は、現場でこそ力を発揮する。会議室ではないのだ。
戦略と戦術を分けて考えることが重要だ。どのようなお客様に、どのような商材を、どのような金額で売ろうとするのか。その戦略的な面は、人間が考えるべきことではなくなった。
いっぽう、目の前のお客様と、どのように関係を構築するか。どのような言葉を使うと、本音と建て前を見分けられるのか。こういった細かい戦術は、臨機応変に現場でやらなければならない。
■ベテラン社員ほど会議を捨てて現場へ行こう
したがってベテラン社員ほど会議室やパソコンの前で座っていてはダメだ。以下の図を見てほしい。
若い社員とより多く同行し、現場でのフィードバックを徹底するのだ。会議室で追及しても、営業成績がアップすることはない。
最後に、なぜ会議を長くすると業績が悪くなるのか。私見を書きたい。
理由は、会議をやればやるほど業績がよくなると妄信している経営者、マネジャーがいるからだ。そうでない限り、会議を増やしたり、長くしたがる理由がない。
単なる情報共有、報告事項はITの力を使えばできる時代になった。メンバーとの意思疎通が必要なら、会議室でやるのではなく、個人個人と現場でやるべきだ。
AI時代は、ますます会議が多く、長い会社は凋落してくだろう。論理的に物事を考えられる社員ほど、会議の無意味さを理解できるからだ。