台風シーズンの長い小笠原諸島 強い台風20号が接近・通過
小笠原諸島へ台風20号の接近
日本の南海上にある台風20号が発達しながら北上しています(タイトル画像参照)。
10月28日(木)には強い勢力となって小笠原諸島に接近・通過する見込みです(図1)。
八丈島など伊豆諸島南部では暴風域に入る可能性はありませんが、小笠原諸島では、28日昼前から夜遅くにかけて、暴風域に入る確率が80パーセントを越えています(図2)。
小笠原諸島では暴風や高波に厳重に警戒し、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水に注意、警戒してください。
台風の中心付近の海面水温は、台風が発生・発達する目安となる27度を上回る29度以上であり、小笠原諸島付近までは27度以上の海面水温です。
台風が温帯低気圧に変わるのは、小笠原諸島を通過し、日本の東海上に達した29日(金)になってからです。
東日本に接近する可能性はなくなりましたが、台風20号または台風20号から変わった低気圧からのうねりがはいってきますので、東日本の太平洋岸でも高波に注意が必要です(図3)。
伊豆諸島および小笠原諸島への接近数
台風の接近は、台風の中心が気象官署等から300キロ以内に入った場合をさします。
平成3年(1991年)から令和2年(2020年)の30年間の平均値を平年値といいますが、台風の日本への接近数の平年値は11.7個です。
月別には、8月と9月が一番多く、次いで7月で、10月は4番目です。
しかし、伊豆諸島および小笠原諸島に接近した台風数となると、一番多いのは9月の1.5個、次いで、10月の1.3個と、季節が進んでからの接近が多くなります(図4)。
平成15年(2003年)12月1日に台風21号が伊豆諸島・小笠原諸島に接近したように、12月も30年に1回くらいは接近していますが、10年に1回以上接近する月は、4月~11月です。
伊豆諸島・小笠原諸島の台風シーズンは、4月~11月と、他の地方に比べて長くなっています。
台風について、いろいろな統計が作られているのは、昭和26年(1951年)以降です。
これによると、伊豆諸島・小笠原諸島への接近数が一番多かったのは、昭和43年(1968年)の10個、少なかったのは昭和48年(1973年)の1個です。
平均は5.4個と平年値と同じ数字です(図5)。
令和3年(2021年)も、5月に台風5号が、8月に台風10号が、10月に台風16号が接近しており、台風20号が4個目となっても、平年より少ない接近数です。
タイトル画像、図1、図3の出典:ウェザーマップ提供。
図2の出典:気象庁ホームページ。
図4、図5の出典:気象庁ホームページをもとに筆者作成。