【鳥取/境港】日本酒ファンおすすめ!妖怪も手伝う「千代むすび酒造」酒蔵見学
はらぺこライターの旅人間です。今回は鳥取県境港市「千代むすび酒造 岡空本店」の酒蔵見学について紹介しましょう。
大阪から高速バスを利用して境港へ。途中で経由した米子駅の売店には鬼太郎の関連グッズが沢山売られている。その時に手にしたのが”ねずみ男”がデザインされた酒だった。そう、これも「千代むすび酒造」の人気商品の一つなのだ。
千代むすび酒造 岡空本店
境港の駅に到着し、ホテルは駅前の「夕凪の湯 御宿 野乃」にチェックインした。そのスグ近くに千代むすび酒造 岡空本店はある。水木しげるロードなのでとっても便利だ。
同店は慶応元年(1865年)創業の老舗。境港の駅前の一等地に約2,000坪の敷地、そして約100種類ものお酒を製造している。伝統の日本酒はもちろん、スパークリングの日本酒、焼酎、さらにウイスキーも2024年の秋に販売がはじまるという。
店内には水木しげる氏の代表作『ゲゲゲの鬼太郎』の原画が展示されており、「純米大吟醸」のデザインにもなっている。
これを3本買って帰れれば1枚の絵となり人気だ。
ちなみに、この原画は水木しげる氏が「千代むすび酒造」のために書いてくれたもの。酒樽と煙突には屋号が描かれている。
この煙突は現在も健在で、見上げると敷地内に堂々と立つ。もはや、境港の景観として街シンボルの一つと言っても良いだろう。
1945年、港町は直接戦争の被害は無かったが火薬を積んだ船が爆発し、その時に境港の1/3を失う大事故があった。同店の蔵も大きな被害を受けたそうだ。
戦後、日本が復興していくには人のつながりが大事、爆発事故で被害を受けた境港もしかり。そこで「千代に八千代に人と人の絆を結ぶお酒を」という願いをこめたのが同社の名前の由来だと社長室長の岡空拓己さんが教えてくれた。
尚、この煙突は奇跡的に爆発の被害を受けず残ったのだとか。
酒蔵見学はスタンダードコース(一般の方向け)とプレミアムコース(上級者向け)がある。スタッフ1名ガイドとして同行し、普段見られない蔵の中が見学できる。
工場見学が始まり「さすがは境港」と感じたのは、鬼太郎のキャラクターが説明の中に上手に参加しているトコロだ。
見学した中でも特筆したいのは「しずくどり」である。ここでは”こなき爺”が手伝っている姿が見える。
本当は機械でプレスしてお酒と酒粕に分けるが、千代むすびの大吟醸の中には酒袋の中にもろみを入れて吊って、何も圧力をかけずに重力だけで滴って来るものだけを集めた贅沢すぎるお酒があるという。
それが下の写真にある右から2番目「大吟醸」だ。
この「袋を吊るして自然に落ちる雫だけを集めた贅沢なお酒」は花の香りを思わせるような吟醸香が強く爽やかな味わいが楽しめる。
ちなみに、今回は取材という事もあって、色々と試飲させて頂いたが、「お酒が好きで好きでたまらない」って方はプレミアムコースに参加すると良いだろう。このコースでは大吟醸など高級酒3種類のテイスティング付きとなる。
詳しくは公式サイト(外部リンク)で確認下さい。
他にも「千代むすび 純米吟醸強力50」は同社の代表的なお酒の一つ。
鳥取県のみで栽培され、鳥取県の酒蔵のみが使用が許可されている日本酒専用の酒米である「強力」を使用されている。
一般的に酒米の多くは掛け合わせのものが多いが、この強力は掛け合わせされていない原品種。その栽培の難しさから昭和30年に栽培が途絶えたが昭和63年に復活栽培されたという。
お米の旨味と酸味が特徴的で、華やかな香りが楽しめる。
驚いたのは「CHIYOMUSUBI AWA SAKE SORAH(そら)」だ。新しいタイプの発泡性のスパークリング清酒である。
これは瓶内2次発酵で、原料はお米、米麹、水という日本酒の原料だが、いわゆるシャンパンと同じ工程でつくられたもの。最後ににごりをとっている。
ほのかなお米の旨み、にごりのないクリアでスッキリとした後味が特徴で、まさに和製シャンパンと言えるだろう。
酒蔵を見学して、色々と試飲をさせて頂いて…このような事を言うのもなんだが、私はお酒に弱い。だから基本的にあまり飲めない。
しかし、日本が世界に誇る名酒であったり、情熱の塊のような酒蔵さんに出会った時は別だ。すぐに顏が赤くなり酔ってしまうが、少しでも飲む。そして美味しさに惚れる。体質的にアルコールに弱くても美味しさは分かるからだ。
「もっとお酒が強かった良いのに…」と自分自身が恨めしく感じる。ここは酒好にはたまらない場所。そう声を大にして言いたい。
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千代むすび酒造 岡空本店
住所:鳥取県境港市大正町131
電話番号:0859-42-3191
営業時間:9:00~17:00
公式ホームページ(外部リンク)
公式instagram(外部リンク)
地図(外部リンク)
取材協力:千代むすび酒造