Nintendo Switch後継機、発売延期のおかげで性能アップ?「PS5 Pro」は9月発表かも
Nintendo Switchの後継機、通称「スイッチ2」とPS5をベースに強化した中世代機(真の次世代機「PS6」までの中継ぎハード)「PS5 Pro」は、2024年末から春にかけて発表・発売されそうな雲行きです。
これら2つの新型ゲームハードが、実は本来の予定より発売が遅らされたとの噂が相次いでいます。
スイッチ2は発売延期のため再設計か
まずスイッチ2については、最近は未発表ゲームハードの噂話を盛んに発信しているYouTubeチャンネル「Moore's Law is Dead」がコメントしています。
本来、同チャンネルはAMD製チップ事情に詳しく(PS5やXbox現世代機もAMD製チップ)ゲーム機に関しての信頼性は未知数でしたが、数ヶ月前にPS5 Proの「内部文書」の動画を公開。それが「著作権者」により削除されたため、逆に確かな情報源を持つ可能性が高まりました。
さて最近の動画によれば、もともとスイッチ2は2023年内に発売される予定だったとのこと。が、未だに登場しておらず、一部のNVIDIA関係者が戸惑っていると述べています。
スイッチ2の搭載チップは未発表のNVIDIA製「T239」=数年前の車載用チップ「T234」を小さくして性能を抑えたものとの予想が有力です。実はT234の画像も3年近く前に見つかっており、とっくに市場に出ていてもおかしくないわけです。
そのおかげでシステムの設計が変更され、性能に少し影響が出た可能性が浮上。もともとスイッチ2搭載チップはサムスンの8nmプロセスにより製造と予想されていましたが、それが7nm等に変更された可能性があるというわけです。
ここでいう「*nm」とは、半導体チップの回路線幅(プロセスルール)のこと。一般的に、この数字が小さくなればなるほど性能はアップし、消費電力は減る傾向にあり、要は「いいこと」です。ちなみにPS5の最新モデル搭載チップは台湾TSMC製の6nmであり、PS5 Proは4nmチップと噂されています。
そうして8nmから7nmなどに変更され、それに伴いハードウェアが再設計された場合は、ドッキングモード時には4.5TFLOPS程度になるかもしれない。Moore's Law is Deadは、そう指摘しています。
このTFLOPSとは、GPUの浮動小数点演算性能のこと。初代スイッチが0.5TFLOPS、PS5が10.3TFLOPS、Xbox Series Xが12TFLOPS、Xbox Series Sが4TFLOPS。一世代前のPS4が1.84TFLOPSで、PS4 Proが4.2FLOPSといったところです。
以前スイッチ2は4TFLOPSと見積もられたことから、4.5TFLOPSは約12%増しで、PS4 Proよりチョイ上に来ています。
今年9月に「PlayStation Showcase」放送、PS5 Pro発表か
かたやPS5 Proも予定より発売が遅らされたとの噂ですが、こちらは事情が異なるようです。
やはり情報源はMoore's Law is Deadのエピソード。それによればPS5 Pro搭載チップの最終版は2023年内に完成しており、ハードウェア的な発売準備は整っているそうです。
では、なぜ未だに発売どころか発表もしていないのか? 全世界が注目する超大作ゲーム『Grand Theft Auto VI(GTA6)』のスケジュールに合わせるためとのこと。
同作はPS5やXbox Series X|Sのみ対応、PS4やXbox Oneなど前世代機を切り捨て。公開した予告動画も舞台となるバイスシティの広がり、ごった返すゾート地から下品な輩の振るまい、空気感さえまとう銃撃や強盗など表現力にノーブレーキという印象。
この域に達しれば各ゲームハードごとの地力の差も歴然とするはず(一部ハードでは処理落ちが起きたりグラフィック品質を落とす/一度に表示する人数を減らすなど)で、PS5 Proの実力を見せ付けるのに絶好ということでしょう。
ソニーがPS5 Proを「GTA6」となるべく近い時期に発売することは、コンサルティング会社Kantan GamesのCEO・Serkan Toto氏も予想。「ソニーは2025年に『GTA6』が発売されたときに、素晴らしいハードウェアを準備しておきたいと考えている」と述べてました。
PS5 Proの発売時期は、以前も光学ドライブ着脱式PS5の登場を正確に予想したTom Henderson氏が2024年の年末商戦期と予想。この見方は複数の識者も支持しており、すでに定説になった感があります。
いつ、ソニーはPS5 Proを発表するのか。それは今年9月になる可能性が指摘されています。
つい先日、同社は最新情報番組「State of Play」を配信したばかり。が、そこで登場したものは発表済みタイトルのアップデート情報や新規映像、新作も中堅どころで、大型発表とは言えない規模に留まっていました。
直近でソニーが新型ハードウェアを発表した場は、昨年5月の「PlayStation Showcase」。PS5向けリモートプレイ専用機PlayStation Portalやワイヤレスヘッドセットもお披露目されており、「State of Play」とは差別化しているようです。
これにつき、PlayStation関連リーカーのLunatic Ignus氏は「次のShowcaseは9月」とXにてコメント。同氏は最近では『Black Myth: Wukong』予告トレーラーの公開時期を的中させていました。
この発言を鵜呑みにするわけにはいきませんが、東京ゲームショウが9月末に開催されることもあり、「PS5 Proの話題を盛り上げてから発売」という意味で理に叶っているはず。ちなみにPS4 Proは9月に発表、11月に発売でした。
またスイッチ2が来春発売であれば、ゲーマーの懐に余裕があるうちにPS5 Proを発売したいはず。現行のスイッチとPS5の価格差はかなりありましたが、スイッチ2は399ドル~499ドル(約6万2000円~7万8000円)との試算もあり、真っ向からシェアを奪い合う可能性もありそうです。