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ジダンの後任を探すマドリー...「監督」ラウールの昇任と”ピピ”中井のトップ昇格の可能性は?

森田泰史スポーツライター
マドリーのカンテラでプレーする中井(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)

「レアル・マドリーのラウール・ゴンサレス監督」が誕生する可能性はあるだろうか?

マドリーは先日、ジネディーヌ・ジダン監督の退任を発表した。2020-21シーズンを無冠で終えたチームを立て直すため、フロレンティーノ・ペレス会長は後任を探している。

ジダンの退任の可能性が高まっていた状況で、連日のようにスペインメディアで踊っていたのが「ラウール」の名前だ。

カスティージャで指揮を執るラウール監督
カスティージャで指揮を執るラウール監督写真:ムツ・カワモリ/アフロ

ラウールは、現役時代にマドリーで活躍した選手だ。マドリーのカンテラーノ、いわば「生え抜き」の選手である。

細かく言えば、元々、彼はアトレティコ・マドリーのカンテラでプレーしていた。インファンティル(U-13のカテゴリー)では、1シーズンで55得点を記録するという伝説を残した。だがアトレティコが財政難で下部組織の撤廃を決断し、1992-93シーズンからラウールはマドリーのカンテラでプレーするようになった。

そして、1994-95シーズン、ホルヘ・バルダーノ当時監督の下で、トップデビューを飾った。以降、ジダン、ルイス・フィーゴ、ロナウド、マイケル・オーウェン、デイビッド・ベッカムらが加入して「銀河系軍団」が形成されてからも、ラウールはレギュラーポジションを譲らず、マドリーで合計16個のタイトルを獲得している。

「私はスピードがある選手でもなければ、最も才能に恵まれた選手でもなかった。でも、学ぶのが好きだった。そして、ワンプレー、ワンプレーに全力を尽くしていた。僕のスポーツキャリアは、そうして成り立っていったんだ。多くの人が僕をサポートしてくれたし、自分には強いキャラクターがあった」

ラウールは、マドリーでの日々をそのように振り返っている。

現役時代のジダンとラウール
現役時代のジダンとラウール写真:ロイター/アフロ

シャルケ(ドイツ)、アル・サッド(カタール)、ニューヨーク・コスモス(アメリカ)と複数クラブを渡り歩き、2015年に現役を退いたラウールは、指導者ライセンスを取得後、2018-19シーズンから本格的に新たなキャリアをスタートさせる。マドリーのカデテ(U-16)のBチームで指揮を執り、続いて、フベニル(U-19)のBチームで監督を務めた。2020年夏にはフベニルの世代のチャンピオンズリーグに相当するユース・リーグでチームを優勝に導いている。

ラウールは、2019-20シーズンから、マドリー・カスティージャ(Bチーム)で監督を務めている。【4-3-3】と【4-4-2】を使い分け、戦術にはバリエーションがある。ブラジル的なフットボールというより、ドイツ的なフットボールを好む。つまり、規律を大事にする。監督としてのラウールは、「実践主義者」だといえるだろう。

(全3409文字)

■中井の大きな未来

ラウールの昇任の可能性が浮上しているところで、気になるのは「ピピ」の愛称で親しまれる中井卓大の未来だ。

先述したように、ラウールは戦術面で豊富なバリエーションを備えた監督だ。システムを使い分けるではなく、今季は3バックや5バックまで試している。

(予想布陣)

ココだけの話をしたい。中井とラウールの関係性は、非常に良い。

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スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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