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【CL決勝分析】シティとチェルシー、分かれた明暗。グアルディオラとトゥヘルの頭脳戦の結末。

森田泰史スポーツライター
シティ対チェルシーの一戦(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

ポルトの地で、青いユニフォームが舞った。

今季のチャンピオンズリーグ決勝で、マンチェスター・シティとチェルシーが激突した。2018-19シーズン以来のイングランド勢の対決となり、ジョゼップ・グアルディオラ監督とトーマス・トゥヘル監督の”頭脳戦”にも注目が集まった。

「これはテニスのゲームではない。グアルディオラ対トゥヘルではないんだ」と語っていたトゥヘル監督だが、この2人は数奇な運命をたどってきた。

グアルディオラ監督とトゥヘル監督
グアルディオラ監督とトゥヘル監督写真:代表撮影/ロイター/アフロ

グアルディオラとトゥヘルの邂逅は2013-14シーズンに遡る。

「トゥヘルがマインツで監督を務めていたシーズンに、我々は彼らと2度対戦した」と話すのは当時バイエルン・ミュンヘンでスポーツディレクターを務めていたミヒャエル・レシュケ氏である。

「最初の対戦では、バイエルンが2-0で勝利した。しかし、86分までゴールがなかった。2度目の対戦では4-1で勝ったが、65分まで1点ビハインドの展開だった。試合後、ペップに質問されたよ。マインツの監督は誰なんだ、とね。力の劣るチームがバイエルンに勝とうとしていた。それがペップの興味を引いたのだろう」

「私は個人的にトゥヘルと親しかった。彼が育成年代で指導をしていた時、レヴァークーゼンに引き抜こうと思っていたからね。トゥヘルはマインツで3年指揮を執った後、1年の休養を選択した。その時、ミュンヘンに移住してきていた。ある日、ペップに『トゥヘルと夕食を食べに行くけど』と言ったら、『私も行くよ!』と付いてきたんだ。トゥヘルは喜んでいた。ペップは彼の憧れの人だったからね」

■サプライズ起用

シティとチェルシーのスタメンで、サプライズがあったのはシティの方だった。

エデルソン、ウォーカー、ストーンズ、ルベン・ディアス、ジンチェンコ、ギュンドアン、ベルナルド・シウバ、フォーデン、スターリング、マフレズ、デ・ブライネ。それがグアルディオラが送り出したメンバーである。そこにはボランチ(ロドリ/フェルナンジーニョ)とストライカー(アグエロ/ガブリエウ・ジェズス)の選手が不在だった。

(シティとチェルシーのスタメン)

メディアの表記では【4-3-3】だ。だが、その実は【4-4-2】と【3-4-3】の可変だった。

グアルディオラの狙いは、前線からのプレッシング強化とポゼッション率を高めることだった。

「前プレ」に関しては、デ・ブライネとフォーデンが連携しながら、チェルシーの3バックの中央(チアゴ・シウバ)と攻撃の起点になるボランチのジョルジーニョを塞いだ。2トップが縦型になり、状況によってデ・ブライネあるいはフォーデンが出ていくので、それぞれの守備負担を軽減することにもつながっていた。

(デブライネとフォーデンの守備)

サイドアタッカーは左右のCBであるアスピリクエタとリュディガーにプレスを掛ける。序盤、チェルシーには明らかに戸惑いがあった。「ボールの出口」がなかったためだ。

(全3118文字)

■シティの3-4-3

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スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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