台風7号被害を想定し、避難所よりも3Dプリンター住宅新時代へ
KNNポール神田です。
台風6号の沖縄での被害の後片付けがやっと終わりました。
今回の台風はノロノロと自転車程度のスピードで沖縄は2度もの暴風雨圏で停電などでの被害をもたらしました。
■『Windy.com』で台風を予測し警戒する!
Windy.comの右のメニューの上から4番目の『ハリケーントラッカー』のアイコンをクリックすると、明日以降の進路の予測がアニメーションと共に風向きがわかる。
明日、2023年8月15日は大阪方面での上陸が明確となってきた。
の、上から6番目の『Wind』ボタンがオンになっていると、拡大して風向きを確認するだけでも、どちらの方向から風が吹くかということがわかるので、『警戒』のしかたがこれによって大きく変わる。
物が飛んできたり、飛ばされる方向が事前にわかるのでぜひとも、確認いただきたい。
沖縄の場合は、1回目と2回目では逆方向の風が吹いたため被害が増大した。
■沖縄の避難所で感じたこの国のデジタル化による災害強靭化。デジ庁主導のオープンデータ化が必須!
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/ec1e64c160ec2096086f3201b8cec2bebf931b5c
幸いにも家屋は無事だったが、避難所にいる間には、阪神大震災の頃を思いだし、万一のことを考え、3Dプリンターハウスの事情を調べていた。
4年前の2019年には、『iconbuild.com』やの3Dプリンタハウスやドバイの『サステイナビリティシティ』のリポートを紹介した。
甚大な被害になった場合、家の再建には長期に及ぶので避難所では対応しきれないからだ。
■60万円住宅 3Dプリンターハウスなら24時間で出来上がり 自然災害大国の日本にこそ必要だ!(2019年)
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/1fc7d765aaa37044224cd7dce829e2ea869133c2
■施工時間44時間、550万円、1LDK 50平米で日本でも3Dプリンター住宅『セレンディクス』
あれから4年経過し、2023年、ようやく日本でも、水まわりにも対応した3Dプリンター住宅が登場するようになった。
施工時間は44時間 広さは1LDK50m2 価格550万円という。
現在の問い合わせ件数は6000件以上だという。
住宅事情のイノベーションのスタートアップだが、なんといっても有休地にこのような3Dプリンターによる避難できる場所が、1週間以内に作れるとなると、自然災害大国の日本においては、これらのユニットを用意し、災害を期に避難で誘致をはかれる自治体がでてきても良さそうに思う。
それが、『セレンディクス(本社:兵庫県西宮市 代表取締役:小間 裕康)』が開発する3Dプリンター住宅だ。
2人世帯向けの3Dプリンター住宅、『serendix50(フジツボモデル)』を2023年8月下旬から1棟550万円、6棟限定で販売。
■serendix50(フジツボモデル)詳細
構造 :鉄骨造+鉄筋コンクリート造 平屋
住宅開発主体 :セレンディクス
概要設計・コンセプト:慶應義塾大学KGRI環デザイン&
デジタルマニュファクチャリング創造センター
実施設計・デザイン :益山 詠夢
(宮城大学准教授、慶應義塾大学SFC研究所上席所員)
構造設計 :株式会社KAP
延べ床面積 :50m2
最大高さ :4m
設置箇所 :愛知県小牧市内 百年住宅工場内
販売予定価格 550万円
■住宅産業の完全ロボット化『3Dプリンター住宅』
セレンディクスは『世界最先端の家で人類を豊かにする』というビジョンのもと、ロボット施工により、“車を買う値段で家を買える”家の開発を進め、住宅ローンから解放された自由な人生の実現を目指し、205社を超えたオープンコンソーシアム各社と共に、技術・居住・価格の3つの面で住宅課題解決に取り組んでいる。
今回のserendix50は快適性能と安全性能を検証されたデジタルデータにより、躯体を3Dプリンターで出力、屋根はデジタルデータを元にCNCカッターで造形するという2つの新しいデジタルファブリケーションの技術を融合
1. 技術面
・日本の建築基準法に準拠
・48時間以内に施工完了
・人の作業を大幅に削減し、ほとんどの部材について単一素材で複合機能を持たせた3Dプリンター住宅を実現
2. 居住面
・50平米の広さ
・1階建て平屋 高い天井のある快適な室内
・構造強度・耐火性・耐水性・断熱性の担保
3. 価格面
・販売価格を一般的な住宅価格の1/10、車が買える500万円を目指す
https://www.atpress.ne.jp/news/364097
■消費税をいれて550万円の3D住宅の価値
なんといっても、時間と価格で圧倒的なパフォーマンスだ。
政府としては、3Dプリンター住宅を1,000世帯分を備蓄として確保しておくとする。すると、2.5人用としても2,500人ものプライバシーのある避難ハウスが実現できる。
550万円で1000棟ならば、年間55億円分の予算だ。毎年、備蓄で購入した分を1年後には売却できるという、農林水産省でやっているコメの『備蓄運営』制度と同様な買い入れシステムで過疎地域の遊休地に新たな避難ハウスによる受け入れを考えることができる。
それらによって住宅用の3Dプリンターを完全国内生産に切り替えることができれば、災害大国日本においての、家を失った世帯への救援措置となりえる。
同時に、3Dプリンター住宅の国内スタートアップを育成することもできる。
家の備蓄の生産が実現できれば、家を失った人から、その後も仮設住宅でないため新たな地方創生の鍵となるのではないだろうか?
3Dプリンター住宅もデザインで見え方が大きく変わる…。