日英伊の次期戦闘機開発、英国防省がBAEシステムズと総額1090億円の契約 #GCAP
日英伊3カ国が共同開発を進めている次期戦闘機をめぐり、英国防省は14日、新たに総額6億5600万ポンド(約1090億円)に及ぶ契約を英航空・防衛大手BAEシステムズに授与したと発表した。
BAEシステムズも同日、「英国防省は、英国でテンペストとして知られる次世代戦闘機の構想と技術を進歩させるために、我が社に6億5600万ポンド相当の契約延長を認めた」と同時発表した。
英国は現行の戦闘機ユーロファイター・タイフーンの後継機として第6世代戦闘機「テンペスト」の2035年までの実戦配備を目指している。テンペストは日英伊が参加する「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)」の下で開発される。英国は2021年の国防指令書で、2025年5月までに20億ポンド(約3320億円)超をテンペスト関連のプロジェクトに投じる計画を明らかにした。今回の6億5600万ポンドの契約はその中に含まれる。
延長契約となる今回の新たな契約の詳しい内容は明らかになっていない。英国防省は発表文のタイトルを「将来戦闘機プログラムを進めるための主要な資金調達」と題し、「契約は、既に完了している画期的な科学、研究、エンジニアに基づいて前に進んでいく」と述べるにとどまった。
BAEシステムズ(航空システム担当)は2018年以来、テンペスト計画での同社のパートナー企業であるレオナルド英国法人(センサーと通信ネットワーク)、MBDA英国法人(ミサイル)、ロールス・ロイス(エンジン)の3社とともに開発協力を進め、契約の第1段階を終えた。そして、これらの英国4企業が今後、契約延長に基づき、英国防省と緊密に協力して、60を超える最先端技術のデモンストレーション、デジタルコンセプト、新技術を成熟させていく方針を示した。
ベン・ウォレス英国防相は「将来の戦闘機に向けた新たな資金調達は、今後何十年も私たちの空を守り、2035年までに世界をリードする戦闘機を提供するために、欧州と太平洋の国際パートナーとわれわれが持つ複合技術や専門知識を融合するのに資する」と述べた。
英国防省は、今回の契約がテンペストの設計と開発を進めるために、英国4企業を代表してBAEシステムズと大規模な契約を結んだと説明した。
日本でも2020年10月、防衛省が航空自衛隊のF2戦闘機の後継となる次期戦闘機の開発主体として三菱重工業と正式に契約したと発表した。機体を担当する三菱重工がプライム企業となり、エンジンを担当するIHIやミッションアビオニクスシステムを担当する三菱電機を束ねて主導していく。
次期戦闘機の模型は、3月中旬に千葉の幕張メッセで開幕した日本最大の防衛装備品の見本市「DSEI JAPAN」で初公開された。大勢の見物客が訪れ、2019年11月以来2度目の開催となる「DSEI JAPAN」の目玉の展示となった。
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