首都圏やネットを騒がせたトコジラミは自宅にいる?放置すると最短で30日、数十万円の駆除費用がかかる!
2024年3月10日に全国ニュースで取り上げられた「首都圏のJR列車内でトコジラミ発見」を見て、電車の中でよく見つけたなぁと感心しつつ、「トコジラミって自宅にいるのか?」と、疑問を感じたので調査してみました。
ところが調査の結果、トコジラミは驚異の存在であることが分かり、確かに駅員の「はい、分かりました」「大丈夫です」の塩対応は、不味かったといえますね。
東京都からの情報では部屋中に潜んでいる可能性が高い
東京都福祉保健局健康安全部環境保健衛生課が、2022年(令和4年)に発行したパンフレットでは、東京都におけるトコジラミの相談件数は右肩上がりになっていて、2019年(令和元年)に485件と過去15年でトップです。
自宅での生息場所を確認してみると、なんと部屋のあらゆる場所が生息場所に・・これはいかん!と、早速部屋を点検しましたがそれらしい物体は見当たらず、とりあえず1部屋は安心のようです。
ところが今度は、厚生労働省が公開している資料を見てみると、以下の画像のようにコンセントの内部や本のカバーと表紙の隙間などにもいるらしく、想像しただけで体中がかゆくなります。
自宅にトコジラミがいれば必ず刺される、らしい!
自宅にトコジラミがいれば、刺されて血を吸われるのは間違いないらしいです。昼間は暗くて狭い場所に潜んでいて、夜になって眠っている人に接触して血を吸うのだとか。
同じように血を吸うノミやダニと違うのは、露出した皮膚を攻撃するところで、衣服に潜ってまでは血を吸うことはないようです。
しかし、トコジラミの活動が活発になるのは6~9月なので、確実に薄着になる夏を挟みます。
ということは、肌の露出も増えるため部屋にトコジラミが潜んでいれば、夜に必ず刺されるようです。
トコジラミに刺されると、メチャクチャかゆい!!
トコジラミは人間の肌を刺して血を吸いますが、蚊のように1個所で済まないのもトコジラミの特徴です。
上記の被害写真は東京都豊島区池袋保健所生活衛生課が作成している「トコジラミ(ナンキンムシの知識)」に掲載されている写真です。
見てお分かりのように、刺された箇所は1個所どころか数十カ所におよんでいます!
トコジラミは蚊と同じく、血液の凝固を防ぐために唾液を注入しますが、この唾液によってアレルギー反応を引き起こし、激しいかゆみとなります。
刺された方の感想をみると、夜も眠れないほどのかゆさだそうで肌をかきむしり皮膚障害を起こすことも珍しくないようです。
幼虫なら吸血開始から100秒でお腹一杯に!
この写真は、厚労省の研修会資料に掲載されているトコジラミが実際に吸血している写真です。
幼虫のトコジラミなら、吸血開始から100秒でお腹一杯になるようです。それなら、成虫がお腹一杯になるには一体どのくらい吸血しているのか考えると、ゾッとしますね。
トコジラミに刺されたら「抗ヒスタミン薬」が有効
もしもトコジラミに刺されたら、抗ヒスタミン薬に分類されるクリームや軟膏が有効です。ドラッグストアで入手できるので、薬剤師が在勤するドラッグストアなら患部を見せて薬を選んでもらいましょう。
スーパートコジラミに進化して殺虫剤が効かない!
近年では実際にスーパートコジラミと呼ばれる、薬剤に耐性を持つ進化したトコジラミも誕生しているようで、従来の殺虫剤を使用しても駆除できないのが特徴。そのため、スーパートコジラミの場合は、物理的に駆除しないとダメのようです!
2024年2月の厚労省の研修会資料による駆除戦術
2024年2月16日の厚生労働省開催の令和5年度生活衛生関係技術担当者研修会の資料によると、トコジラミ駆除戦術として次のような方法が記載されています。
- 殺虫剤による駆除:有機リン剤、カーバメート剤、ブロフラニリド、ピレスロイド剤
- 加熱:49度にて1分ばく露で100%致死、41度にて100分ばく露で100%致死
- 冷却:-20度では比較的速やかに100%致死、-1.5度では40日程度で100%致死
- 吸引:外国製掃除機で吸引直後に55%致死、1日後までに92%致死
- 捕獲
- 寝具対策(洗剤水浸漬):30分間で0%、120分間70%致死
- ゼオライト(擦過傷):5g/平方メートルに24時間強制接触で100%致死
このような駆除方法が記載されていますが、殺虫剤が効かないスーパートコジラミには、どれも一般家庭で可能な駆除方法には当たりません。
トコジラミを放置すると、駆除に最短30日・費用は平均1部屋10万円
2023年5月9日に発信されたNHK首都圏ナビ「トコジラミ(南京虫)に注意!駆除できる?症状は?対策は?」によると、一般住宅でトコジラミが繁殖してしまうと大変なことになるようです。駆除までの最短期間は30日もかかり、駆除費はなんと1部屋で平均10万円程度と高額!
もしも3LDKの住宅で全部屋を駆除するなら、クローゼットや天井裏、床下などを合わせると、なんと40万円以上必要になる計算です。
駆除方法は記載ありませんでしたが、プチプチと人海戦術で駆除するのでしょうかね・・
自宅にトコジラミを持ち込まない、侵入させないことが重要
自宅へのトコジラミの侵入経路は、旅行などで宿泊した旅館などから連れて帰ることが多いです。
旅行先には布製のバッグでなく、樹脂製のスーツケースを使うと効果的。また、旅行先で荷物を置くなら、ステンレス製の荷物台の利用が有効です。トコジラミはツルツルした素材を登ることはできないからです。
帰宅後は、荷物をすぐに整理してトコジラミが付いていないか確認。そして衣服は、すぐに洗濯機で洗うことがおすすめです。その後は、乾燥機にかけると熱でトコジラミは死亡するので有効です。
自宅に乾燥器がなくても、最近はセルフのドライクリーニングサービスがあるので利用するとよいでしょう。