「らき☆すた」聖地の鷲宮神社の鳥居倒壊 ファンから悲しみの声
アニメ「らき☆すた」の舞台となった、鷲宮神社(埼玉県久喜市)の鳥居が、地元住民のツイッターなどによると、11日午前10時40分ごろ倒壊した。現地の情報によると、けが人はいないという。
倒壊した鳥居は、明治30年代に建てられたもので、建立から少なくとも110年以上が経過していたという。2007年にはアニメ「らき☆すた」が放送されると、作品の「聖地」として注目を集めるようになった。放送から10年以上が経った現在でも、鷲宮神社は正月三が日だけで47万人が参拝し、大勢のファンが集まる。
倒壊の原因は調査中だが、老朽化によるものだという。鳥居は筆者が鷲宮神社を訪れるようになった11年前より以前から、根元の部分が銅板で補強されている状態にあった。現地関係者によると、最近では、ここに蜂の巣があったため柱がもろくなり、倒壊に至ったのではないかとみられている。また、鳥居は再建される見通しだという。
鳥居が倒れた瞬間はどうだったのか。鳥居前の商店街で和菓子屋「島田菓子舗」を営む、島田吉則さん(52)はこう振り返る。
「ドドドーンという大きな音がして、『鳥居が倒れた!』というお客さんの声を聞いて慌てて店の前に出ると、あるはずの鳥居がなくなってました。生まれた時から見慣れた光景だったので、寂しい思いです。その後お店に来られたお客さんとは皆その話で持ちきりで、いかに鳥居が愛されていたのかを実感しています」
ファンからも悲しむ声は多い。学生時代から鷲宮を10年以上訪れているという、「らき☆すた」ファンの男性(30)は、鳥居の倒壊についてこう話す。
「とにかく人的被害がなくてよかった。あの鳥居と隣接する大酉茶屋が並んだ風景は、『聖地』鷲宮の象徴でした。街の変化とともにアニメに描かれた風景が変わるのは仕方がないし、それが一つの楽しみでもあるのですが、こういう形で変化するのは寂しいですね」
アニメ作品で描かれた景色は、既に過去のものとなっている場合も多い。「らき☆すた」で描かれている神社の鳥居も、年季が入った感じで描かれており、新しい鳥居が完成したとしても、恐らく同じものにはならないであろう。
しかし、その光景はアニメの中で「記録」され、作品の中で生き続けていると言っていいだろう。こうした時の流れを実感できるのも、「聖地巡礼」の醍醐味と言えるのかもしれない。