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37歳のフランチャイズ・プレーヤーが「デビューから16年連続二桁本塁打」。歴代何番目の長さなのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
アンドルー・マッカッチェン/捕手はハンター・グッドマン Jun 15, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月15日、アンドルー・マッカッチェン(ピッツバーグ・パイレーツ)は、前日に続いてホームランを打ち、シーズン二桁本塁打に到達した。

 メジャーリーグ1年目の2009年から数えて、16シーズン連続二桁本塁打だ。パイレーツのゲーム・ノーツは、史上13人目と謳い、これまでの12人の名前を挙げている。

 このストリークが長い順に並べると、以下のようになる。

筆者作成
筆者作成

 現時点のマッカッチェンのストリークは、エディ・マシューズロビンソン・カノーの2人と並び、歴代11番目の長さだ。

 23シーズン連続のハンク・アーロン、18シーズン連続のミッキー・マントル、17シーズン連続のジェフ・ケントは、キャリアを通し、10本塁打未満のシーズンがなかった。

 また、20シーズン連続のカール・ヤストレムスキは、キャリアの最初から最後まで、ボストン・レッドソックスでプレーした。アーロンは、メジャーデビューから21シーズンがミルウォーキー・ブレーブス/アトランタ・ブレーブス、あとの2シーズンはミルウォーキー・ブルワーズだ。ヤストレムスキと同様に、マントルも移籍はしていない。こちらは、ニューヨーク・ヤンキース一筋だ。

 マッカッチェンの場合、パイレーツでキャリアをスタートさせたが、ずっと在籍していたわけではない。これまでにメジャーリーグでプレーした16シーズンのうち、パイレーツ時代は、最初の9シーズン(2009~17年)とここ2シーズン(2023~24年)だ。

 2005年のドラフトで全体11位指名を受け、パイレーツに入団。2009年6月に22歳でメジャーデビューし、2018年1月のトレードでサンフランシスコ・ジャイアンツへ移籍した。その後、ヤンキース、フィラデルフィア・フィリーズ、ブルワーズを経て、昨年1月にパイレーツへ戻ってきた。

 広義においては、マッカッチェンも、フランチャイズ・プレーヤーと呼んでいいだろう。パイレーツは、1990~92年に地区3連覇を飾ったが、バリー・ボンズがジャイアンツへ去った1993年から、20シーズン続けて負け越した。21シーズンぶりの勝ち越しとポストシーズン進出を果たした2013年に、マッカッチェンはMVPを受賞した。

 2013年から2015年まで、パイレーツは、3シーズン続けてワイルドカードをゲットした。マッカッチェンは、その直前の2012年から2015年まで、4シーズンとも、20本塁打以上、出塁率.400以上、OPS.885以上を記録した(2012年の出塁率は、厳密には.400未満の.3997…)。パイレーツのポストシーズン進出は、2015年が最後だ。

 なお、マッカッチェンは、2000安打、400二塁打、300本塁打、200盗塁を達成し、50三塁打まであと1本としている。6月16日の試合を終えた時点では、2102安打、417二塁打、309本塁打、217盗塁、49三塁打だ。通算の打率と出塁率は.275と.369、OPSは.832を記録している。

 このマイルストーンと達成者については、こちらで書いた。

「2000安打、400二塁打、50三塁打、300本塁打、200盗塁をすべて達成にリーチ。残るあと1は…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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