台風による大雨と冠水 愛車を守るために今すべき大事なこと
強い台風15号が関東地方に近づいています。
8日から9日の未明にかけて、雨や風がピークを迎え、停電や冠水も予想されているようです。
■台風15号記録的な暴風のおそれ 暴風や停電に備えて(9/8(日)tenki.jp
私は千葉県に住んでいるので、万一に備えてとりあえず庭に置いてあるものを片付けました。
車は自宅のカーポートに置いたままですが、最近の災害を見ていると、想定外のことが起こっているので、正直言って不安ではあります。
まさに「嵐の前の静けさ」の中で、今何ができるか?
とにかく、安全なうちに動かせるものは危険の少ない場所に移動しておくことが大切ではないでしょうか。
■身近に頻発している車の冠水被害
つい先日、佐賀県で起こった豪雨災害に絡んで『豪雨によるクルマ水没 自動車保険は使えるのか、高く売る方法は?』という記事を書いたところ、とても多くの方にシェアしていただきました。
コメントをいくつか読ませていただいたのですが、『自分自身も過去にマイカーが水に浸かってしまったことがある』と書きこまれている方がとても多いことに驚きました。
この他には、
「まさかと思っていたけれど、突然水が上がってきて車が浸水してしまった。ヤバイ、と思ったときにはもう手遅れだったので、それ以降、警報が出たら早いうちに少しでも高い場所に移動することにしている」
「前に車が洪水にやられたときには車両保険をかけていなかったので大変困った。あれ以来車両保険に加入するようになった」
といった体験談が数多く寄せられました。
そうした方々は、ご自身の苦い経験を無駄にせず、少しでも多くの方に「早めのマイカー移動」の必要性を伝えようとしてくださっているのでしょう。
これらのメッセージが書き込まれているときにも、神奈川県や三重県で洪水が起き、たくさんの車やバイクが水に浸かってしまいました。
冠水したアンダーパスでトラックが水没してドライバーが亡くなるという事故も発生しています。
関東エリアにお住まいの方は、これから十分に気をつける必要があるでしょう。
■冠水、車の水没はまさに一瞬で起こる
実は、私自身も車で走行中、冠水の被害に遭ったことがあります。
台風とは違って局地的な「ゲリラ豪雨」だったので、事前の警報もなく、備えることはできませんでした。
とにかく、「ものすごい大雨に見舞われたなあ」と思ったとたん、目の前の道路の水かさがいっきに増し、車がプカプカと浮き始めたのです。
私はとっさにハンドルを切ってエンジンをふかし、歩道を乗り越え、ぎりぎりのタイミングで少し高い場所に建っていた見知らぬ工場の敷地内に車を入れました。
私の前後にいた車は、あれよあれよという間にボンネットまで水につかってその場でエンジンが停止。
おそらく電気系統がおかしくなってしまったのでしょう、何台もの車のクラクションがいっせいに鳴り続けていました。
夜だったこともあり、とにかく恐ろしくて全身が震えました。
私が自分の体験を通して皆さんにお伝えしたいのは、冠水はまさに一瞬で起こるということです。
水位はじわじわ上がってくるのではありません。一気に目の前の景色が変わります。
そうなってからではどうしようもないのです。
だからこそ、台風のように事前に警報が出ていて、冠水の危険性が予測できる場合は、前出の記事にも書いた通り車やバイクを早めに高台や立体駐車場に移動しておく必要があるのです。
当たり前の対策なのですが、「まさかここまでは……」という思いが、思わぬ被害を招いてしまうのです。
■冠水、停電のおそれ。コインパーキングの機能停止にも要注意
今回の台風では、停電の恐れもあると予想されています。
その場合、注意しておきたいのはコインパーキングの利用です。
以前、以下の記事でも書きましたが、停電のときには、電力を使用している多くのパーキングがその機能を停止してしまいます。
たとえば、フラップ板が上がってタイヤをロックさせるパーキングの場合は、停電によってフラップ板を動かしている油圧装置が作動しなくなるため、復旧するまで車が出せないということになります。
停電だけではなく、冠水した場合も故障してしまうことが少なくないようです。
もちろん、停電すれば精算機も止まってしまいます。
エレベーター式の立体駐車場も同じく、停電すると動かなくなるため、自家発電装置でもない限り車が出せないことがありますので気をつけてください。
マンションなどでも最近はエレベーター式のカーポートがありますが、あのタイプも要注意です。
停電や故障などのトラブルが起きた場合は、警備会社の担当者が現場を順番に回って手動で対応してくれますが、こうした災害は一斉に起こるため、復旧には時間がかかる可能性があります。
とにかく、停電や冠水で車が出せないという最悪の事態に遭遇しないためには、初めからフラップ式や立体式のパーキングを選ばないこと、それに尽きます。
翌日に急ぎで車を使う必要がある場合は、あらかじめ、「車が出せなくなる」というリスクを回避しておく必要があるでしょう。
もちろん、何より重要なのは命を守ることですが、時間にゆとりがあるならば、大切な車やバイクを冠水などの被害から守る対策を考えておきましょう。