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体がぽかぽかに!保健指導歴30年の保健師が実践して克服できた冷え性解消の簡単な練習と食事とは 

保健師ノンオイル料理研究家茨木くみ子ノンオイル健康料理研究家(保健師)

保健師・ノンオイル料理研究家の茨木くみ子です。
秋が急に深まり冬の訪れを感じるようになりました。
そろそろ冷え性で辛い思いをされている方が多いのではないでしょうか。
夏場、積極的に体温を作ることをしていなかった私たちの身体は
まだ寒さに慣れていない為、冬の始まりは特に寒さを強く感じやすい時期になります。

朝夕は寒く、日中は温かいころは、寒さに強い体を作り、冷え性を卒業するトレーニングを始める最適な時期です。(北海道など、すでに本番の寒さの地域の方はお許しください)

練習方法はとても簡単。辛いことは一つもありません。
この方法を試していただけたら、きっと年明け
「あれ、この冬はあまり寒くないかも」と感じていただけることと思います。

この方法は保健師として、冷え性の相談を受けた時に、多くの方にお話ししてきた内容です。
試してくださった方から
「寒くなくなった」
「電気毛布がなくても寝れるようになった」
「体を自分で温められるようになった」
などのフィードバックをたくさんいただき喜んでくださる方が多い内容です。

実際、私自身が大変な冷え性でしたが、この方法で冷え性を卒業することができました。

冷え性がなくなるとほかにもいいことがたくさんあります。

〇太りにくくなる
基礎代謝(何もしなくても使っているカロリー)のうち80%以上は体温に関係することに使っています。
手足の指先まで温かい人と、冷え切っている人では身体の中で使っている熱量が違います。
食べたものをどんどん燃やして自前で体温を作れる人は、基礎代謝が高くなり、運動も何もしなくても食べ物から得たカロリーをどんどん燃やしてくれるため、太りにくくなります。

〇感染症やガンになりにくい
低体温になると血流が悪くなります。体内にウィルスや細菌・ガンなどの異物を発見しても、素早く駆除してくれる白血球を集めにくくなり、ウイルスや細菌に負けて発病しやすくなります。がん細胞は35度台の体温の時に、もっとも活発に増殖するといわれています。

〇電気代がかからず経済的
暖房や電気毛布など電気代が自前の体温で補えますので、電気代が節約できて嬉しいことづくめです。

他にもたくさんあります。
次に体温を作る体の仕組みについてご説明させていただきます。

体温を作る仕組みと冷え性の原因とは

☆体温はどこで作っているの??
人間の体は全身の細胞で体温を作っています。
食事の栄養をエネルギー源に代謝を行うことで熱が発生しています。(代謝熱)
全身で体温は発生しますが、中でも効率よく発生できるのが心臓・肝臓・脳と、そして筋肉です。
血液に糖分や脂肪をのせて筋肉に運び、燃焼させています。
寒いと、ぶるぶると震えることがあります。それは筋肉を震わせて体温を作ろうとしているためです。

いつから冷え性になるのでしょう 

私たちはいつから冷え性になっていくのでしょう。
生まれたときから冷え性の赤ちゃんはいません。
新生児の赤ちゃんは、体温調節を作ることがまだうまく出来ません。
そのため泣いて筋肉を使い体温を作り、手足の血管を収縮させ放熱を防いでいます。
筋肉がついてきて体温を上手に作れるようになったころから自然と手足も暖かくなっています。それではなぜ人は冷え性になってしまうのでしょう。

動画での説明はラジオのように気軽に聞いていただけます。

冷え性の原因

1.長い空腹や食べないダイエット、炭水化物を食べない食事
ダイエットや仕事などで空腹の時間を長く体に経験させることで、エネルギーが長く入ってこない為、脳は飢餓と勘違いし、少ないカロリーで命を存続させるために、省エネモードのスイッチを入れ、命を守ろうとします。
体温を下げることは手っ取り早くエネルギーの節約をすることができるため、冷え性になるのです。
それでも食べ物、エネルギーになるものが入ってこないと、自身の脂肪や筋肉、内臓でさえ燃やしエネルギー源にします。そのため体温を効率よく作ることができる筋肉量が低下するため冷え症は更に加速します。

2.与えると作らない人間の体。 不自由のない生活が作り出す「冷え性」。
私たちの体は、外側から温めると自分では体温を作ることをしなくなります。
暖房・電気毛布、ゆたんぽ・ほかほかカーペット・靴下などで普段から体を温めていると、自分で体温を作ることを忘れてしまうのです。
寒さで手足が冷たく、かじかんでいるときに利用するのは悪くはないのですが、温まったら今度は自分で体温を作れるようになりましょう。

3.ストレスや緊張に長くさらされることも冷え性の原因になります。
交感神経(戦いの神経・緊張・ストレスフルな時)が優位の状態は血管は収縮します。
(血圧をあげ瞬発力を高め、敵と戦えるよう、傷を負っても失血を少なくするため)
ストレスフルの状態や緊張したときに、手足が冷たくなる経験をしたことがある方は多いと思います。
持続したストレスは、自律神経のコントロール機能を低下させ、冷え性を更に悪化させる原因になります。

4.筋肉の低下
男性より女性のほうが冷えを感じやすいのは筋肉量の違いと言われています。
女性は男性と比べると「筋肉が少なく、脂肪が多い」という体の特徴があります。
人は20歳までに最大の筋肉量になると言われています。
子供の頃から体を使って遊ぶことが少ない現代人は、もともとの筋力量が減少していることが想像できます。

私の冷え性の原因は、この2つでした。
それは、ダイエットのために、長い空腹を身体に何度も経験させ飢餓状態と思わせたこと
そして、穀物や炭水化物を食べないダイエットを長くしてしまったこと。
夏でも体は冷え切っていました。
冬になると手足の指はいつもかじかんでいて、何枚も重ね着をしていました。
夜は入浴してもすぐに体は冷えてしまい、電気毛布がないと寝れない状態でした。

子どもを冷え性にしないために

冷え性の大人にしないためには、子どものころから、体温を作る力を低下させないことが大切です。
「小さいころ、おばあちゃんに育てられた子は寒がりになりやすい」とよく言います。
真冬に薄着がいいとは言いませんが、子どもが寒さを感じていないのに厚着はよくありません。目安は大人と同じ枚数。寒がりの自覚のある方は一枚子どもは少なめでも大丈夫です。

寒くなったら羽織る。温まったら脱ぐを繰り返します。
寒くなったら羽織る。温まったら脱ぐを繰り返します。

冷え性解消に必要な二つの力  体温を作り維持する練習をしましょう。

日中薄着で過ごせる今こそがトレーニングに最適な時期です。
トレーニングと言っても運動ではありません。体温を作り維持をする練習です。

夏場は積極的に体温を作ることをしていませんので、体温を作り維持する力が低下しています。体温の作り方を思い出させてあげましょう。
温かい日に寒くないのに厚着したり、ぽかぽかの日に暖房を使っていると、体温を作ること忘れたまま、真冬になってしまいます。

【体温を作る練習】

〇深呼吸とイメージ
体内で燃えやすいようしっかり呼吸をします。
目を閉じ、体幹、お腹のあたりが温かくなるのをイメージしながらゆっくり息を吐き切り、それからゆっくり息を吸います。これを繰り返します。
冷えているところの血行を良くするために指先でしたら、親指を中に入れながらグーバーグーパーとぎゅっと手を握りしめては開くを繰り返します。
この時に温かいところを触ってから行うと、身体を温めるスイッチが入りやすくなります。
背中が寒い時はゆっくりと、肩と首を回してください。

【体温を維持する練習】

〇体温をじわじわ作りながら、今ある体温を下げない練習です。
寒くないときは薄着で過ごす。寒いと感じたら一枚洋服を羽織る。
    ↓
寒くなくなり身体が温まったら増やした服を脱ぐ。 
    ↓
寒さを感じたら羽織る。繰り返す。

家では裸足からスタートし、寒いと感じたら靴下をはく。
    ↓
寒くなくなり足や指先が温まったら、靴下は脱ぎ裸足になる。
    ↓
寒くなったらはく。繰り返す。

冷え性改善の食生活

〇体内で燃えやすいものを食べる。
一日三食、穀物を食べましょう。

栄養素の中で燃やせるものは炭水化物と脂肪・タンパク質(タンパク質は本来燃やさず素材を使って体の細胞を作るものです。)
その中で炭水化物が分解されてできるブドウ糖は最初に使われ、燃えカスの残らないエネルギー源で全身どこでも使える身体に負担をかけないエネルギー源です。
使われた後は二酸化炭素と水になり消えていきます。

バランス食事ガイドでも炭水化物は一番たくさん食べることを勧められています。
バランス食事ガイドでも炭水化物は一番たくさん食べることを勧められています。

PFCバランスから見ても穀物は三食、しっかり食べていただきたいものです。


外出時、空腹で指・手足が冷たくなさったら、わたしは氷砂糖や飴を食べてカロリー補給しています。

〇「腸内環境」を見直す!
「冷え症」と腸は、密接な関係があります。
腸内環境が悪いと便秘や下痢になります。便秘になると代謝も血液循環も悪くなり、下痢することで体内の水分バランスは崩れます。これが冷えを悪化させる原因になります。
善玉の腸内細菌はお腹が冷えると元気に働けません。お腹は冷やさないことも大切です。
善玉の腸内細菌が喜ぶものは、炭水化物のレジスタントスターチと日本人に合った発酵食品(味噌、納豆、ぬか漬けなど)と海藻・きのこなどの食物繊維をバランスよくとる和食です。

腸内環境を整え、善玉の腸内細菌を維持してくれる素晴らしい食事です。
くわしい食生活はこちらの記事をご覧ください。
栄養・食の情報に不安にならない考え方と保健師・ノンオイル料理研究家の一日三食の献立と食べ方

〇空腹を避ける
長い空腹は体温を下げてエネルギー消費を少なくし命を守ろうとします。
おなかが空いたら空腹を放置せずに、次の食事までにおなかが空く量の間食をします。
燃えやすいおにぎりや和菓子などがおすすめです。

〇筋肉をつける
筋肉を維持する運動など体を動かすことはおすすめです。(わたしはあまりしていません。すみません)
散歩や歩くこと、掃除や炊事などの家事動作でも大丈夫。
座りっぱなしの生活は血液循環がとても悪くなりますので冷え性の原因になります。

〇身体を冷やす食べ物は控えめに
生野菜や果物は身体を冷やす食べ物です。
秋から冬場は控えめがお勧めです。
冷たい飲み物よりも温かい飲み物がおすすめです。
動画で身体を温め、腸内細菌の喜ぶドリンクをご紹介しています。

【米麹と酒粕のダブル甘酒と豆乳で作るジンジャーミルクティー】

【酒粕と米麹のダブル甘酒】

材料(2杯分)

酒粕    小さじ2  (30g程度好みで増やしてください。)
市販の甘酒   200ml
好みで生姜やゆずの皮のすりおろし   適量

作り方
1 鍋に酒粕を入れて分量の甘酒を少量ずつ注ぎゴムベラで混ぜる。
2 ゴムベラで混ぜながら加熱する。
3 温めていただく。(お酒に弱い方、運転される方は、アルコールを飛ばすためにしっかりめに沸騰させてください。)

〇血行を良くする
筋肉や体幹で作った体温を足先や指先など全身に運んでいるのは血流です。
血液の流れをよくするためにも、身体を動かすこと。
「早歩き」「小走り」でも大丈夫です。
足や手をグーバーグーパーと広げたり縮めたりを、力を入れながらするだけでも血行はよくなります。
ぬるめのお風呂に長めにつかり指先までしっかり温め、静脈血と老廃物を心臓に戻するも冷え性改善に効果的です。

「笑う門には福来る」体も心もぽかぽかに温まります。
「笑う門には福来る」体も心もぽかぽかに温まります。

〇笑いと深呼吸
わたしが一番お勧めしていることです。
交感神経(戦いの神経、緊張、ストレスが高い)が優位だと血流が悪くなります。
また悲しみ・悩み・辛さは呼吸を浅くして心身ともに冷え切ってしまいます。

副交感神経が優位になること、リラックスできることを探しましょう。
笑いは絶大な効果を発揮してくれます。
笑いは腹式呼吸です。
腹筋も鍛えることができるため一石二鳥。
この方法は即効性があり、体温もどんどん作ってくれます。

笑い以外では、深呼吸!ゆっくり繰り返してリラックスし深い呼吸をすることで、体内に酸素がたくさん取り込まれ、体温が作りやすくなります。

全身の細胞一つ一つがしっかり活躍し、体温をどんどん自分で作る身体は、大変心地よいものです。
昼間はよく動き、笑い、食べる。
そして夜はしっかり眠る。
大変基本的なことなのですが、このいい循環を回しながら生きることが、人も動物(動く物)ですのでとても大切だと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。
ご参考になると嬉しいです。

今後とも皆様のお役に立てる情報、レシピなどをアップしていきたいと思います。
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YouTubeやInstagramでは、バターオイルなしの日本人の体に合ったお料理の作り方や健康的なレシピをたくさんご紹介しています。是非ご参考にしてみてください。

保健師 茨木くみ子

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ノンオイル健康料理研究家(保健師)

産業保健・特定保健指導・子育て相談などの相談業務を長くしてきました。また自身が過食症・摂食障害を克服し約-20kgのダイエットに成功その体験から日本人に合った健康な食生活は和食だったことを再確認。高脂質な洋食・中華・洋菓子・パンを日本人に合った低脂質な和食に近づけたレシピをご紹介しています。著書多数最新刊「ふとらないクリームのお菓子 」「ふとらない米粉のお菓子」【現在の活動】オンラインや自宅で料理教室にて健康情報や料理レシピを発信保健師業務は「うららか相談」にて個別相談を受けています。料理制作動画はYouTubeにてInstagramでは最新情報とライブをしています。

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